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マックス爺のエッセイ風日記

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2014.02.17
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テーマ:詩(904)
カテゴリ:
版画7.jpg


         石嶺風景



 シーサーが雨にぬれている
 古びた小さな家
 その隣のわずかばかりの畑で
 老婆が一人鍬をふるっている


 過ぎた大戦では
 この辺りは大変な激戦地だったと言う
 老婆にも苦い思い出がたくさんあるのだろう
 曲がった背中が
 そんなことを物語っている


 雨が止んで
 おさげ髪の少女が
 どこからともなく現れ
 老婆の仕事を手伝い出した


 そして
 モンシロチョウが
 キャベツの大きな葉の上で
 ひらひらと舞い始めた


                      1989.4.18 第一詩集 『南島風景』から



                        版画6物売り.jpg


 那覇市首里石嶺は私が沖縄に勤務した当時、家族と過ごしたアパートがあったところです。その近くに小さな畑がありました。そこにはバナナやパパイヤ、グァバの樹があり、ハイビスカスなど南国の花々が咲いていました。この詩はそれらの風景を見て生まれた作品です。<不定期に続く>





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Last updated  2014.02.17 04:58:08
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