テーマ:詩(904)
カテゴリ:詩
石嶺風景 シーサーが雨にぬれている 古びた小さな家 その隣のわずかばかりの畑で 老婆が一人鍬をふるっている 過ぎた大戦では この辺りは大変な激戦地だったと言う 老婆にも苦い思い出がたくさんあるのだろう 曲がった背中が そんなことを物語っている 雨が止んで おさげ髪の少女が どこからともなく現れ 老婆の仕事を手伝い出した そして モンシロチョウが キャベツの大きな葉の上で ひらひらと舞い始めた 1989.4.18 第一詩集 『南島風景』から 那覇市首里石嶺は私が沖縄に勤務した当時、家族と過ごしたアパートがあったところです。その近くに小さな畑がありました。そこにはバナナやパパイヤ、グァバの樹があり、ハイビスカスなど南国の花々が咲いていました。この詩はそれらの風景を見て生まれた作品です。<不定期に続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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