テーマ:☆詩を書きましょう☆(8513)
カテゴリ:詩
走ることについて
俺の足は 走り始めてから11年になった 俺の足は 色んな道を知っている 凍った道 霜柱の道 真っ暗な道 強い北風の道 潮の香が染みついた道 埃っぽい道 カンカン照りの道 汚くて凹凸の道 牛舎や汚水の臭いのする道 喘ぎながら登った坂道 砂糖キビの穂が風にたなびく道 コンクリートの道 アスファルトの道 砂利の道 土の道 芝生の道 砂だらけの道 怖い道 優しかった道 泣きながら走った道 嬉しくて飛びはねた道 北の道 南の道 海沿いの道 誰も通らない山の中の道 迷った道 信じた道 短い道 長く苦しい道 1人で走った道 仲間と一緒に走った道 駆け抜けた道 うずくまった道 道 路 径 幾つかの土地の 幾つもの道を 俺の足は走ってきた 偏平足の足 骨折した足 もう 30回も肉離れをおこした足 「筑波学園マラソン」では 股関節のつけ根から 動かなくなってしまった足 「NAHAマラソン」では 繰り返す痙攣で苦しんだ足 時には軽快な それでいて 時には鉛のように重たくなる俺の足 だが 親からもらった 貧弱なこの足が まぎれもない俺の足だ 俺は走る 俺の足で走る 俺の人生を走る 幾つかの土地の 幾つもの風景の中で 俺の生命を走る 走るという個人的な行為 だが 極めて厳粛な儀式によって 俺自身であることを確認する 俺は 1990.12.15 第一詩集『南島風景』から 35歳の元旦、筑波時代に始まった私のランニング史は、その後徳島県鳴門市、そして沖縄へ転勤後も続きました。沖縄では職場の「職員走ろう会」が主催する「24時間駅伝」に出たことで、走る仲間と出会いました。彼らとの練習、そして灼熱の地でのレースが、その後のランニング人生に大きな影響を及ぼすことになったのです。<不定期に続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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