テーマ:ニュース(100016)
カテゴリ:ニュース・社会の動き
今月8日に消息を断ったマレーシア航空370便の謎が深まっている。なぜ目的地の北京に向かわず、タイ湾から引き返してインド洋方面に向かったのか。これは150人以上乗っている中国人を狙ったテロなのか。それとも他に目的があったのか。しかも同機は幾つかのレーダーを掻い潜り、未だに機体が発見されないのはなぜか。まさにミステリー小説そのものの事件だ。 だが、あれから幾つかのことが分かって来ている。機長はイスラム教徒で、野党の支持者であること。彼が信奉する政治家が、フライトの前日に逮捕されたこと。そして自宅からは飛行機を操縦する訓練が出来るシュミレーターが発見されたこと。その解析により、インド洋周辺の5か所の空港に降りる訓練をした形跡があること。そしてフライトの前日には密かに家族を自宅から引っ越しさせていることなどだ。 昨日はネットでこのニュースを追っていたのだが、上の写真を見つけた。これはオーストラリア政府が発表したニュースだが、人工衛星からインド洋南部で漂流する物体を2個発見した由。直ちに同国、アメリカ、ニュージーランドの軍用機が現地に向かったようだ。果たしてその漂流物が機体の破片かどうかはまだ確認されていないが、インド洋に浮かぶモルジブの島民が9人、高度70mほどの低空飛行で南に向かう民間機を見ている。その胴体には赤いラインがはっきりと見えたそうだ。マレーシア航空の機体にも、同じラインが施されている。一刻も早い機体の発見と、事件の解明が待たれる。 写真は黒海に突き出たクリミア半島。今、ここからきな臭い煙が立ち上っている。元はウクライナの自治区だが、ウクライナに暫定政権が生じたことをきっかけに、ロシア系住民が多いこの自治区でロシアへの編入の是非を問う住民投票が行われ、96.7%の圧倒的な高率で支持された。これはウクライナ憲法に違反し、ウクライナ系の住民は反対し、少数民族のクリミアタタール人は棄権したようだ。 住民投票の結果を受けて、ロシアのプーチン大統領は直ちに憲法を変えてクリミアをロシア領として受け入れる体制を整え、ロシア本土と半島を直接結ぶ道路と鉄道の建設を指示した。住民投票に先立って、ウクライナの基地は覆面をした何者かによって制圧され、手も足も出せない状況だった。ロシアは自警団と称しているが、ロシア軍が背後にいることは明らか。この半島にはロシア海軍の基地があるのだ。 ボスポラス海峡を経て、地中海、そして大西洋へと出られるクリミア半島の基地は、ロシア海軍にとっては生死の鍵を握るもの。かつてここはモンゴルの騎兵がヨーロッパ深く攻め入った時に通過し、ロシアとトルコが帰属を争った露土戦争が起きた戦場であり、確かナイチンゲールが敵味方の区別なく看護したのもここだったはず。そして先日行われたソチオリンピックの会場からも、さほど離れてはいない。 ウクライナとロシアの対立は今、欧米とロシアの対決に変わりつつある。先の国連安保理は欧米側がロシアに自重を求め制裁案を出したが、ロシアが拒否権を発動して否決された。ロシアは棄権した中国に感謝したそうだ。この意味は大きい。プーチンはオバマの実力を見切ったのだ。国内や議会内で力を発揮出来ないオバマは、クリミアにも手出し出来ないはずと読み、実際に事態はそう進みつつある。これを見た中国が今後どんな行動に出るかが心配だ。ロシアは国際世論を敵にしながらも、軍事力でクリミア半島を奪ったのだから。 数年前、ウクライナの政府要人がロシアの秘密警察に放射性化学物質を飲まされ、イギリスで変死した事件があった。ヨーロッパ寄りのティモシェンコ前首相が汚職事件の容疑で投獄され、牽制のためヨーロッパ向けのガス管がロシアの手で閉鎖されたこともあった。今回の措置を巡って、ウクライナは旧ソ連諸国で作る独立国家共同体CISからの離脱を表明した。 実はかつてクリミア半島はソ連邦の一部だった。それをフルシチョフ第一書記の時代にウクライナに分割した。その失政を挽回したプーチンは、今ロシア国内で高く支持されている。こうなると我が国の北方領土返還にも影響が出かねない。今後事態がどう動くかは全く予断を許さない。日本も変化する国際情勢を見極めると同時に、尖閣の保持に一層力を入れる必要がありそうだ。民族問題と領土問題は国際問題の永遠のテーマだ。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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