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マックス爺のエッセイ風日記

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2014.03.23
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テーマ:ニュース(100016)
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 最初に昨日書き忘れた部分を補足しておきたい。

○ 2月15日にネットで小保方さんの博士論文へ寄せられた疑義は、以下の3点。1)冒頭の20ページ分が、アメリカ国立衛生研究所のサイトにある文章をコピペ(切り張り)している。2)論文中の画像はあるバイオ企業のサイトのサンプル画像と酷似している。3)参照文献リストが文字化けしている。コピペの引用文献が論文の趣旨と合致しない。

○ 3月11日 日本分子生物学会から、本件の解明について要望書が出された。

○ 3月14日に発表された理化学研究所の中間報告に関して、小保方さんは次のように表明したようだ。1)論文の画像加工が悪いこととは認識してなかった。2)STAP細胞は作製出来た。



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 小保方さんが学んだ早稲田大学大学院では、どうやら学位論文の作成時に他の研究者の論文をコピペすることや、参照文献の無断借用が横行していたようだ。また、彼女が一時在籍していたハーバード大学大学院でも、論文執筆時の基本的なルールが守られてなかったようだ。そのような土壌が、彼女の科学論文作成に甘い判断をもたらせたことは考えられる。

 だがその後彼女は、早稲田大学大学院事務担当部局に対して、提出した博士論文は製本時に正式なものと間違えていたため交換したいと申し出、それが拒否されると博士論文の取り下げを申し出たようだ。ことの重要性に鑑み、今後早稲田大学内で自主的な調査が行われるのは必至だ。



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○ 3月18日 山梨大学の若山輝彦教授が、理化学研究所から預かっていた「細胞」を第三者機関に送付して分析を依頼したことを発表。彼は「小保方論文」の共著者の1人で、彼女が理化学研究所のスタッフとして採用されるよう紹介した人。

 STAP細胞の立証には3つの段階があるが、理化学研究所が再現できたのは、万能細胞に特徴的な遺伝子が働いて緑色に光る第1段階まで。ステップ2-1では人工的に色んな組織の細胞になれる。ステップ2-2段階ではマウスに移植し、色んな組織になれる。これは本来別な内容なのに、博士論文と同じ写真を使っていたことが判明。

 若山教授が共著者になったのは、彼女が「発見」したSTAP細胞の追試に関わったためだが、上記の事実を重く見た彼は追試のために預かっていた細胞が果たして本物なのか疑念を抱いたわけだ。なお、ステップ3の段階では、マウスの胚に移植し、STAP細胞由来の個体を作る。実験の基礎となったリンパ球には固有の特徴があり、この特徴の有無でその後の細胞が本物かどうか確認出来る由。



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○ 3月19日 チャールズ・バカンティハーバード大学教授が、小保方さんと共著で発表した「ティッシュエンジニアリング パートA」の論文の図表に誤りがあったとして訂正。彼は小保方さんが同大学に滞在した時の指導者で、「小保方論文」の共著者。かつ前述の雑誌の創刊者でもある。

○ 3月19日 日本学術会議の大西隆会長は早稲田大学に対して、小保方さんの博士論文に関する追跡調査を要請。また本件の核心はSTAP細胞が本当に作製出来たかどうかであり、外部の研究者に追試を依頼する場合でも理化学研究所が主導すべきであることを勧告。

○ 3月19日 政府から理化学研究所に対して、「特定国立研究開発法人」の指定に関わるため、4月20日までに本件の結論を出すよう要請。これはSTAP細胞の重要性に鑑み、理化学研究所ともう1か所の研究機関の研究費を増額し、研究者の待遇改善を図る趣旨で新設される「法人」に関するもの。だが、一連の騒動で頓挫する気配になったための最終確認だろう。政府が期限を切ったのは、閣議で指定するためのようだ。


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 もし小保方さんの博士論文が取り下げられた場合、彼女は理化学研究所のプロジェクトリーダーの地位を失う。採用の条件が万能細胞の研究者であり、かつ博士の学位を持つことが条件だからだ。また理化学研究所が「特定国立研究開発法人」の指定から外れると、「被害額」は1千億円以上になると言われている。最先端医療の星と見られていたSTAP細胞に対する期待が大きかった証だが、我が国の学術レベルの真価が問われており、ことは深刻だ。

○ 3月20日 C.バカンティ米ハーバード大学教授(前述)がSTAP細胞の効果的な製法についてネットで公表。彼は最後までNature論文の取り下げを拒否しており、この細胞の存在は彼の兄弟と共に15年前から確認していると主張している。だが、一方でNature誌は、独自の判断で「小保方論文」の取り下げもあり得ると表明している。何にせよ、STAP細胞の存在が追試再現されない限り、この問題は解決しないのだ。



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 先日コメントを書かせてもらったある方のブログへは、数年前にも疑問を書かせてもらった。その方が「偽石器ねつ造事件」の藤村新一氏に同情する記事を載せた時のことだ。藤村氏は民間団体である「東北旧石器研究所副理事長」として発掘に加わり、日本の旧石器時代を紀元前3万年から、何と紀元前60万年まで遡らせてしまった張本人だ。

 「神の手」と呼ばれた彼が発掘した石器に疑問を呈したのは、フランスで考古学を学んだ若い研究者。石器の表面に鉄錆があるのは、農耕機が傷つけた地表の石であることがフランスの学界では通説だった。また藤村氏は研究発表をほとんどせず、発掘調査の報告書もほとんど提出していない。私はそれらの点を指摘したのだが、反論は全くないままだった。



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 偽石器捏造事件の影響で、日本の旧石器時代の研究は30年遅れたと言われている。教科書は書き換えられ、市町村史は訂正を余儀なくされ、道路標識は書き直された。宮城県内には彼の発掘で有名になった「座散乱木遺跡」、「馬場壇A遺跡」、「高森遺跡」などがあったのだが、勿論その後遺跡の指定は取り消されている。相当影響が大きかったこの事件の本質を、その人は全く分かっていなかったのだ。今回もその時と良く似ている。

 誰が間違いを犯したのかを追求するのが本論の目的ではない。そして、真実の判明までにはまだ時間がかかると思う。私が言いたいことは科学をロマンティックな言葉で語ることの危険性だ。もし科学を売り物にするブログであればなおさら慎重でなければいけないだろう。かと言って私のようなど素人なら何を言っても良いという訳でもない。幸いにして小保方さんはまだ若く、優秀な頭脳を持っている。彼女には立ち直って欲しい。そして勇気を持って真実の道を歩み出して欲しいと願っている。





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Last updated  2014.03.23 09:56:17
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