テーマ:暮らしを楽しむ(387614)
カテゴリ:ランニング全般
≪ ランニング編 ≫
スイセンさん行って来ますね。 おやまあお爺さん、これからどちらへ? トンガリ山ですよ。ひとっ走りしようと思ってね。そうですか。どうぞ気をつけてね。 お爺さん今日は。 おやまあ竹林さん今日は。これからどちらへ? トンガリ山ですよ。今日は体調が良いので、走ろうと思ってね。そうでしたか、それじゃ気をつけてね。どうもありがとう、行って来ますよ。 ヤマザクラさん今日は。お爺さん今日は。お元気そうですね。ふふふ、そう見えるかい。今日は珍しく調子が良くってねえ。おやまあ、それでランニングを? ああ、トンガリ山まで行って来るのさ。それじゃあお気をつけて。 やあ立派な桜だ。ここで一休みするか。おやお爺さん、汗をかいてますねえ。ああ、走ったら暑くなってね。ふ~ん、元気そうで何より。で、これからどちらへ。トンガリ山だよ。あるものを探しにね。「それは何ですか」と桜の木が聞こうとした時には、もうお爺さんは駆け出していた。いったいなぜそんなにあわてていたんだろうねえ? ふう~っ、ようやく森の入口まで来たよ。お爺さんはここで大きく息を吸ったんだ。ここまで来たらあと1kmでお爺さんの目的地。春風さんが石の標識を見たら「仙台市太白山自然観察の森」と書いてある。ふ~む。トンガリ山と言うのは、どうもお爺さんが勝手につけた名前だったようだ。 おや?看板に何か書いてあるぞ。なになに、危険な生物だって~? クマは確かに冬眠から目覚めたかも知れないね。でも、マムシやスズメバチやダニはまだ大丈夫だろう。お爺さんは独り言をつぶやいて、それからまたとっとこと走り始めたのさ。少し息が苦しそうだったがね。 ほほう、小鳥の森まで来たか。ここまで来たらもう一息。とっとことっとこ。 これはね、泥棒の隠れ家でも、子供達の冒険の小屋でもないんだよ。今は辺りの木の葉が落ちてるから目立つけど、ここが「小鳥の森」の野鳥を観察する小屋なんだよ。お爺さんはぶつぶつ言いながら、その横を通り過ぎたのさ。とっとことっとこ。 次は何だって~っ?お爺さんは良く見えない目をこすったのさ。走っている時は老眼鏡をしないのがお爺さんのいつものくせ。何しろ眼鏡をしてると汗が拭きにくいからねえ。「お爺さん、『緑を未来世代へ』と書いてあるんだよ」と春風が教えたけれど、どうやらお爺さんにも分かったみたい。「緑は大切だからなあ」。そうつぶやいていたからね。とっとことっとこ。 これはね、ざる川の上流なのさ。静かな森の中を流れているんだ。マックスとここにも何度か来たことがあったよ。マックスとはお爺さんが飼っていた愛犬の名前。賢い黒ラブだったけど、一昨年の晩秋に14歳2カ月で死んだんだ。それでもお爺さんは、毎日のように彼の名前を呼んでいるのさ。もう写真のマックスは吠えないんだけどね。春風がそっとつぶやいた。 お爺さんはこんな小さな橋を渡るよ。ここが目的地なんだろうか。いや、そうではないみたい。とっとことっとこ。もう走りはしないが、キョロキョロと何かを探し始めたのさ。てくてくてく。 もう一つ小さな木の橋を渡った森の中が、どうやらお爺さんの目的地だったみたい。ふ~む。トンガリ山に登るのではなさそう。ここは「自然観察の森」なので、きっと何かを観察するのかも知れないなあ。春風はそう思ったのだが、続きはまた明日。じゃあね~。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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