カテゴリ:写真
≪ 「壊す」の巻 ≫
4月19日土曜日。この狭い路地に、大型の重機がやって来た。お向いのKさんがお家を新築されるため、これまで住んでいた家を解体するのだ。「解体が始まるのは何時からですか」。私は業者に尋ねた。「午後からですよ」と業者。私は直ぐにスコップを持って、Kさんの庭へ行った。「掘るのはKさんの了解を得ていますから」。私はそう業者の方に話して、ユリやランなどを掘り上げ、我が家の庭へ移植した。 私の作業が終わるのを待ち兼ねていたかのように、解体作業が始まった。大型重機が少しずつ家を壊して行く。40年近くここに住み、愛着も深かったと思う。植木や花が大好きだったKさんは、園芸業者から珍しい植物を取り寄せていた。私は増え過ぎた花などを何度か彼からいただいていた。丹精されたその庭を、今大型の重機が踏み荒らしているのだ。 初日の解体作業はここまで。意外にも、恐れていた粉塵は大したことはなかった。これは解体に先だって、数日前から内装を除去していたからのようだ。取り壊された材料は、材木、塩化ビニール、鉄、アルミ、畳など、再利用可能なもの、産業廃棄物になるものなどに分別されて置かれていた。 第2日目。翌日の朝から再び解体作業が始まった。音と振動が凄い。一日中家にいる私にとっては地獄だが、この際解体作業をじっくり見学させてもらうことにする。あれほど立派だった庭も、ご覧の通り無残な姿だ。やはり少しでも花を救えて良かった。 家の上部は全て取り壊されて、床面だけが残された。その床をさらに壊して行く重機。 第2日目の作業はここまで。手際良く破壊された材料が大型のダンプカーで運び出されて行くのだが、家の残骸は次から次へと出て来るのだ。 第3日目。家はほとんど跡形も無くなった。残ったのは鉄骨で組んだ物置代わりの建て物のみとなった。 コンクリート片を運ぶ重機。こうして少しずつ基礎部分が消え、その下から土が現れる。 ダンプカーに積まれた残骸(手前)と、鉄骨に乗って作業する解体業者の職人。彼らの手際の良さは、驚くほど見事なものだ。それにチームワークが抜群。 鉄骨部分もこうして少しずつ解体され、3日目の作業は終了した。 第4日目の朝。建て物の基礎だったコンクリートが壊されて行く。 そしてその日の夕方には、敷地がきれいな更地になっていた。実質5日間で、1軒の家が地上から消えた。庭は4分の1ほどの大きさまで縮小され、見事な庭石もほとんどが運び去られてしまった。 左側が今回「救出」したユリ。右側は地鎮祭の準備を終えた更地で、その奥に見えるのが我が家。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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