マックス爺のエッセイ風日記

≪　連続する不調　≫



　余りにも高額な金額に驚き、受付で理由を尋ねた。だが「それは先生に聞いてください」と一言。この整骨院は完全予約制だが、私は４月２５日金曜日に再訪して院長に尋ねた。院長曰く。「患者の数が減って経営難になり、中小企業診断士と相談して、診療費を再設定した」由。

　私は３月末に７０歳となり、健康保険が２割負担になった。そして４月からは東日本大震災の特例措置で、１割負担に減っていた。だから５００円くらいと思ったのが、その１０倍近く支払って戸惑っていた。おまけに昨年の夏も通院していたのに、今回は初診扱いになっていたのだ。だが、この整骨院が高額な理由は理解出来た。他よりも５倍は施術に時間を割いている。だから通院回数が少なくて済むし、治りも早いのだ。


　　　　　　　　　　　　　　

　理由は分かったので、この日はマッサージだけ受けることにした。院長が言う。「Ａさん、この状態では１週間は治療しないと治りませんよ。それに走るなら、先ずは速歩から始めて下さいね」。だが２回の治療でかなり体調が改善したと感じた私は、後は自分の体の自然治癒力を信じることにした。そしてその日の夕方、妻に翌日は閖上（ゆりあげ）へ走りに行くことを告げた。




　そこは東日本大震災で壊滅的な被害を受けた隣の市の港町で、死者は７５３名に達している。かねがね一度被災地を自分の目で確かめたいと言うのが妻の希望でもあった。自分の体調を考え、これなら大丈夫と判断したのだ。結局、涼しい朝の内から走りたいと言う彼女の意見を入れて、家を３時過ぎに出た。このことは既にレポートを書いたので省略するが、妻は１３ｋｍを走り、私は帰路もそのままマラニックを続けて、結局２４ｋｍを走ったのだ。


　　　　　　　　　　　　　

　話は前後するが４月２４日、私は近所の歯科でインプラント部分と親知らず歯を除去した。最初のインプラント手術は２２年前の沖縄。これが駄目になって１３年前には山形で再手術を受けた。いずれも転勤先でのことだ。この時は右の親知らず歯を左の下顎骨に移植する実験的な手術も合わせて行っていた。

　だが、それが時の経過と共に悪化し、私を悩ませていた。痛み止めの薬を飲みながら、１００ｋｍレースを走ったこともあった。歯は真っ黒に変色して腐り、下顎骨も一部もろくなっていたそうだ。これで長年の悩みからは解放された代わり、私はさらにゆっくりとしか食べられなくなった。右側でしか噛めないからだ。４月３０日、切開部分の抜糸。




　さて、被災地探訪マラニックを終えた夜に、最初の異変は起きた。何と浴室内で転倒し、浴槽に右の脇腹をしたたか打ちつけてしまったのだ。これには自分でも驚いた。よほど注意していた積りだが、マラニックの疲れが残っていたのだろうか。傷はないが、触ると鈍痛がする。きっと肋骨に微細な「ひび」が入ったのだと思う。

　２つ目の異変は、翌日から両膝周辺に痛みが発生したこと。確かに久しぶりの２４ｋｍ走ではあったが、妻のスピードに合わせてゆっくり走ったし、時々休みも入れた。さほど負担になっていないと考えていたのだが、筋力の低下は予想外に進んでいたのだろう。これが老化の実態。やはり院長の意見を重視すべきだったのかも知れない。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　第３の異変は５月３日土曜日の夕方に起きた。みぞおち部分に痛みがあり、肩も首も凝り固まってしまった。夕食も食べられず、風呂にも入らずに寝た。その夜は町内会の新年度第１回目の会合があったのだが、仕方なく妻に代理で出席してもらった。布団の中でも苦しみ、翌朝腹部に熱を感じたものの、体調は少し改善された感じだった。だが大事を取って、町内会の草刈りはまたしても妻に代理で出てもらった。

　しかしこの体調の急変の原因は何だろう。下痢はしてないのでノロウイルスの感染ではないはず。それに風邪の症状とも異なる。いずれにしても重篤な病因が私の体に潜んでいることは確かなようだ。ただ病院に行きたくても、連休中でどこも病院はお休み。ここは連休が明けるのを待つしかないだろう。「仙台国際ハーフ」を控えて、全く走れない日が続く。ゆっくり２ｋｍから３ｋｍほどの散歩。５月５日月曜日。ようやく体操が出来るようになった。＜続く＞