2940418 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2014.05.27
XML
カテゴリ:生活雑記
ぽっ わしは真楠(まっくす)と言う者じゃが、今日はこの辺を案内しよう。明治の中頃まで、ここはKと言う村だったのじゃよ。その後近隣の5ケ村が一緒になってN村になり、昭和の初めに仙台市に編入されたんじゃ。

神社1.jpg 

 これが昔の村の名前がついた八幡神社じゃよ。村社つまりはこの辺りの氏神様で、かつての街道沿いにあるんじゃよ。神社の縁起によれば、前九年の役の折り、源頼義公がわざわざ立ち寄って戦勝を祈願したとある。もっともこの辺の神社は、ほとんどが似たような縁起を持っとるがの。わっはっは。


               寺社12.jpg

 昔の神社はあの杉林の奥の、山の上にあったんじゃ。昭和の初めの頃、この付近で殺人事件が起きたんじゃよ。夜中に警官を名乗る男がある一家を訪れ、一人ずつ呼び出して3人目を殺した時に夜が明けた。それ以降、物騒だと言うことになり、八幡さんが今の場所に下りて来たと言う訳じゃ。そんな怖い事件があったことなど、今じゃ誰も知らんがのう。


寺社10狛犬あ.jpg 寺社11狛犬うん.jpg

 阿吽(あうん)の狛犬がおるじゃろう。脇に1本の桜が植えてある。「子福桜」とか言う四季桜での。近所の園芸業者の寄進じゃよ。毎年10月頃になると白い花が咲くんじゃ。ところが春には少し色が濃くなり、八重のように見えるから不思議なんじゃ。


          寺1-5.jpg

 これはK寺。やはり昔の村の名がついておる。それだけ古いんじゃろうなあ。山号は「医王山」と言うから、ご本尊はきっと薬師如来のはずじゃ。わしはまだ拝んだことはないがの。何せこの寺は「ケチ」だと言う評判じゃでのう。山門も新しくなったし、本堂も講堂もピカピカじゃ。


寺1-3.jpg

 何せ寺の裏に新しい道路を作るため、墓を移動させたんじゃよ。きっとその補償金がたんまり入ったんじゃろうなあ。戒名をいただくにもかなりお金がかかると専らの評判じゃ。ふぉっふぉっふぉっ。


          寺1.jpg

 見なされ。講堂の屋根の上の宝珠もピカピカ光っとる。お金持ちのお寺は景気が良いのう。


風鐸.jpg

 そして廂(ひさし)の下には風鐸(ふうたく)じゃ。あれは風が吹くと、実に良い音がするでのう。わしは三好達治の詩を思い出す。「甃(いし)のうへ」と言う詩にこんな一節があるんじゃ。

 み寺の甍(いらか)みどりにうるほひ 廂々の風鐸のすがたしづかなれば わが身の影をあゆまする甃のうへ


             寺3.jpg

 山門の仁王様もまだ新しくて、あんまり威厳はないのう。


寺社3竜2.jpg

 おまけに寺の前には龍の彫刻まで置いてある。龍は権力の象徴での。中国では初め皇帝しか使えなかったんじゃ。それに皇帝の龍は爪が5本で、珠を握っておるのが決まりなのじゃ。きっとこの寺も、権威を重んじておるんじゃろうて。


          寺2-1.jpg

 それに比べたら、こっちの寺はずっと庶民的じゃ。同じように昔の街道沿いにある曹洞宗のお寺なんじゃが。


寺2-2.jpg

 山号は「実相山」。世の中の姿を映していると言う訳じゃろうか。

   
             寺社5聖観音.jpg

 墓地の入口にはこんな観音様が立っておる。聖観音(しょうかんのん)じゃよ。神々しいのう。


寺社7延命地蔵2.jpg

 そして隣は「延命地蔵」じゃよ。見てみなされ。お顔まですっかり風化しておるぞ。きっと昔から信仰されて来たんじゃろうなあ。江戸時代には飢饉などもあったと思うんじゃが、このお地蔵さんのお陰で命が救われた人もおったんじゃろうのう。なんまいだぶ、なんまいだぶ。


          社1.jpg

 これは2つの寺から少し西へ行った所にある社じゃ。だがいくら地図を見ても、名前は載っておらんのじゃよ。ここは秋保(あきう)街道と東(あずま)街道が交差する所での。きっと昔は賑やかな往来だったんじゃろう。


社3.jpg

 「羽黒山」や「湯殿山」の名を刻んだ石が残っておるところを見ると、きっと出羽三山への信仰が篤かったんじゃろう。遠くの山までお参りに行けなかった人が、きっとここで拝んだんじゃろうなあ。今は桜の木が2本植えてあるよ。


            シーザー.jpg

 昔のK村もすっかり様変わりでのう。小字名は無くなったし、今では何丁目何番地じゃよ。中にはKニュータウンなどと呼ばれる住宅地もある。この門柱の上の獅子も、その「ニュータウン」で見つけたんじゃ。まあ言って見れば、現代の守り神なのかものう。


道標.jpg

 そうそう、こんなのがある。昔の小字名じゃよ。かつてこの辺りは千本もの杉が生えていた山じゃった証じゃ。わずか30年前にはまだ小字名も残っておったんじゃが、今はすっかり住宅地に変わってしまった。わしも歳を取る訳じゃ。ふぉっふぉっふぉっ。これでわしの話はお終いじゃよ。バイバイ大笑い





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.05.27 09:09:21
コメント(18) | コメントを書く
[生活雑記] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.
X