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マックス爺のエッセイ風日記

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2015.01.06
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カテゴリ:人生論
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 義兄(妻の兄)のお通夜と告別式を終えた。いずれも身内だけの家族葬だった。義兄は地区の世話役もやっており、交際範囲も広かったのだが、まだお正月と言うこともあって遺族は家族葬を選択した。結果的には、やはりこれが良かったようだ。とても厳かでかつ和やかな雰囲気の中で、100か日までの法要を済ませることが出来た。


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 導師は言う。人間朝に道を聞いて、夕べには白骨になると。またこうも言った。清めの塩は用いないで欲しい。浄土真宗では死は穢れたものと考えてはいないと。なるほど人間の生はいかにもはかない。72歳の誕生日を目前にして、義兄は幽冥の世界へと旅立って行った。


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 義兄と最後に会って話したのは昨年の夏。お盆の時に妻の実家の墓参りをした帰りだった。前立腺がんなどの手術を受けたことのある義兄だが、あの頃はまだ元気だった。あれから腰が痛み出し、歩行にも杖を使用するようになった由。既に病魔が義兄の脊髄を冒してがん細胞を増殖させ、圧迫骨折を起こしていたのだろう。懇意にしていた内科医の診断で専門病院に転院して検査を受けたのが先月半ば。それからまだ3週間もしないうちに義兄は帰らぬ人となった。


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 喪主は妻である義姉が勤めた。長い間色んな病気と戦って来た義兄夫妻。今回も看護などで、きっと疲労が蓄積していたはずだ。それでも3人の子供に支えられながら、何とか喪主の務めを全うした。私が妻と知り合ってから48年。妻の家族とも46年以上の交流があった。あれから生まれた妻の兄弟の子供達、つまり甥や姪は今やすっかり成人となり、その子らも早い者は高校生になる。


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 孫を代表して、中学1年生になる姪の長男が送る言葉を述べた。とても心が籠った優しい送辞。血が繋がり、愛された数々の思い出があるからこその言葉だった。義兄には4人の孫がいる。一番下のまだ1歳5カ月の孫は祖父の死を理解出来ず、元気良く斎場の中を走り回っていた。その無邪気な姿が、悲しみに暮れる遺族の心を慰め、癒してくれたように思う。


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 つい先日まで話していた義兄の声は、記憶の中に留まるだけになった。あの笑顔も、今は写真の中でしか見られなくなった。義兄には話したいことがあったが、話せないままに終わった。きっと残された3人の子供達も同じ気持ちだったのではないか。大きな体をした義兄が、今では小さな骨壷に収まっている。まさに導師の読んだ経文通り、朝に道を聞いて、夕べには白骨になるそのものだ。


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 今回のことで、私は時代が変わったことを知った。今はもう子供達の時代、甥や姪の時代だ。私達が死んだら、きっと彼らが葬儀の中心になるはずだ。そしてこれだけ核家族化すれば、「家族葬」は益々増えるのではないか。家族に見送られてあの世へと旅立つのも悪くない。私はそんな風に思えた。


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 若い頃から私には死や狂気を異常なほど恐れる気持ちが強かった。だが、歳を取るにつれて、次第にそれらとも慣れ親しむことが出来るようになって来た。きっと何事にも準備期間が必要なのだと思う。生命あるもの全て、いつかはそれを喪失うのが定め。だからこそまだ生きている時は思い切り笑い、思い切り泣き、出来るだけ仲良くしないとね。義兄の冥福を心から祈って。合掌。本日から再びコメント欄を開けさせていただきますね。





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Last updated  2015.01.06 06:20:41
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