カテゴリ:俳句
先日の午後、私は小川の河川敷を走っていた。その時、岸辺に立っている鳥が見えた。白鷺のようだ。こんな小さな川に魚がいるんだろうか。しかも今は寒さが厳しい冬。鷺は全部で3匹いた。食われる魚も、食う白鷺も必死だと思う。鷺の姿が脳裏に残り、私は走りながら何とか俳句に出来ないか考え続けた。それが冒頭の二句である。 その数日後、今度は冬の鳥の俳句を作ってみようと思い立った。こちらはほとんどがイメージの世界。ど素人なのでろくろく季語も知らないが、そんなのはテキトーで良い。ともかく頭の中に浮かぶイメージを十七文字に置き替えてみる。こうして27の句が生まれた。単なる言葉遊びだが、老人の脳トレには十分だ。ご笑覧いただけたら嬉しい。 大寒や鷺悄然の象して *しょうぜん *かたち 鷺立ちし岸辺哀しき寒の夕 寒の入り鶴居ずまひを正しけり *いずまい 地吹雪や片脚の鶴身じろがず 眩暈せし鶴風花のごとく舞ふ *めまい *かざはな=風に舞う雪 雪の田や番の鶴の舞ふごとく *つがい 虎落笛ヒヨドリ一声風に鳴く *もがりぶえ=竹の切り株が放つ音 白鳥の孤独見つめし星七つ *七つ星=北斗七星 白鳥の夢凍らせて沼の漣 *さざなみを「なみ」と読ませる 北風や鳶眼を失ひぬ *トンビ *まなこ 木枯やよろけし鳶ピーヒョロロ *こがらし *トンビ 珊瑚樹やヒマラヤ越へし鶴の冬 *サンゴジュ 雪原に食はれし朱鷺の血の飛沫 *トキ *しぶき 冬晴れや鵯の声高くして *ヒヨドリ 冬木立鶺鴒の旅果てもなし *セキレイ 木枯やセキレイ尾羽忙しなく *せわし 鴎眠りニシン番屋の寒の月 *カモメ 海時化て鴎を狙ふ猫二匹 *しけ *カモメ 時化の海鴎狂ひて波に飛ぶ *しけ *カモメ 岩陰の雷鳥遠き雪崩聞く *なだれ 寒月や鴉の塒照らしけり *カラス *ねぐら 鴨今は眠りし沼の昴かな *すばる 昏き冬鴨潜りたる波紋かな *くらき 有明の月細々と鴨の冬 風花や鴨パンの耳奪ひあう *かざはな 小春日や家鴨の瞼塞ぎけり *アヒル *ふさぎ 電線に脹雀の十羽ほど *ふくらすずめ=羽毛に空気を溜めて膨れた冬の雀 真楠翁謹製 私のハンドル名である「マックス爺」は死んだ愛犬の名前を無断借用したものですが、作句の際に名乗る「真楠」(まっくす)はこの音に合わせた雅号です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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