カテゴリ:芸術論
<早池峰岳神楽3>
国の重要無形民俗文化財であり、ユネスコ無形文化遺産に登録されている早池峰岳神楽は、花巻市の山間にある早池峰神社に奉納される舞です。500年以上の間、土地の農民によって伝えられた神楽も、3番目の演目である「女五穀」が舞われています。秋、収穫された穀物は早池峰の神に先ず奉納されるのです。 五穀とは、米、麦、粟、黍(きび)、そして豆のこと。豆に代わって稗(ひえ)を入れることもあるようです。この冷涼な大地に、よくも神さまは穀物を下されたもの。 収穫を寿ぐ舞も終わりに近づくと、踊り手は被っていた面を取ります。 神妙な面持ちで舞う踊り手たち。 最後は剣を抜いて舞い、静かに舞台から去って行きます。 ここからは4つ目の演目「天降り」(あまくだり)です。 この神楽にも鬼の面を被った踊り手が登場しました。さて、鬼は何の化身なのでしょうね。 ひょっとしたら天からの使いである天つ神を迎える国つ神(在来の神)なのかも。 天狗は時々首を傾げる様子が愉快です。 何かを手にしながら祈る天狗。 次に大きく手を広げる天狗。 天狗は首を傾げながらひょこひょこ歩きます。 そして大きく手を広げる動作を繰り返します。 この大八洲(おおやしま=ヤマト=日本)は元々わしらのものなんじゃが。 この弓矢を手にしたのが、恐らくは天孫族(天つ神)なのでしょう。 どれ、今からわしらがこの大八洲を治めてくれようぞ。 こうして天つ神と国つ神は協力して日本列島を治めた。まるで縄文人と弥生人の関係みたいですね。 こんな風にヤマトの国は成立したのかも。神楽を観て、私はそう感じたのです。 舞も終わりに近づき、面を脱いだ踊り手。 祝いの舞はなおも続きます。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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