カテゴリ:写真
<野草編1>
4月16日土曜日。私はマウンテンバイクで近所の太白山(標高321m)に向かいました。野草の写真を撮るためでした。今日と明日はその時に撮った野草を紹介し、登山の模様は最終回(第4回)でお伝えする予定です。 カキドオシ(垣通し)。道端に自生する多年草。全体を乾燥させて生薬にする。名前の由来は垣根の隙間を潜って、繁殖するほど生命力が強いことからの命名。花弁の内側に斑点があるのが特徴。 ヤマブキ(山吹)。バラ科ヤマブキ属で花弁は5枚。 ななへやへはなはさけども山ぶきのみのひとつだになきぞあやしき 中務卿兼明親王 太田道灌が農家の娘から「蓑」(みの)の代わりに山吹の一枝を差し出されたとの逸話は有名。その際「なきぞ悲しき」とされているが元歌は違っている。 キクザキイチゲ(菊咲き一華)。キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、キクザキイチリンソウ(菊咲き一輪草)とも言う。葉の裂け方の違いでアズマイチゲ(東一華)などの花もある。 上の2枚はどちらも同じ花で、山吹の近くにたった一輪だけ咲いていた。ここはまだ太白山のかなり手前で、我が家からわずか1kmほどの距離。こんな場所に咲くとは、まさに奇跡的なことと言えよう。なお、太白山の麓のキクザキイチゲは、既に花が咲き終わっていた。 チョウジザクラ(丁字桜)。バラ科サクラ属。花は下向きに咲くのが多い。他の品種と交わって変種し易いため、園芸種には使われない由。花を横から見ると「丁」の字を逆にしたように見えることからの命名で、東北地方以南の太平洋側に見られる野生種で原始性が強い。 カタクリ(片栗)。ユリ科カタクリ属の多年草。地中の球根が栗の実の一片に似ていることからの命名で、昔はその球根が片栗粉の原料となった。古名は堅香子(かたかご)で、傾いた花の形からの傾篭(かたかご)との説もある。 もののふの八十少女(やそおとめ)らがくみまがふ寺井の上の堅香子の花 大伴家持 「寺井の上」は井戸の周囲の意味で、かつては家の近くでも咲いていた証拠でもある。 太白山のカタクリは通常5月初めに咲き始めるのだが、暖冬の今年は日当たりの良い場所では3月末から咲いていた。これは林の下のもので、もう今年の見納めの花だ。 カタクリの種。この種が地上に落ちると、アリが独特の匂いに釣られて自分の巣に運ぶ。種は翌年穴の中で発芽し、7年目にようやく花をつける。花が咲いている株は、少なくとも7年以上生育した株なのだ。 ニリンソウ(二輪草)。キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。普通は二輪の花が多いが、中には一輪だけのものや三輪の花もある。花弁の枚数は通常5枚だが、多いのは9枚にもなる。また花弁の色は白だが、中にはピンクがかったものや、緑色のもの(ミドリニリンソウ)まである。これはかつて花が苞だった頃の証で、原始的な姿を止めているためだ。太白山自然観察センターの敷地内では、この花の大群落が何箇所かで見られる。 花弁を良く見ると、形が丸いものや尖ったものがあることが分かる。きっとニリンソウは環境に応じて変化し易い植物なのだろう。 花弁の枚数が5枚のものと、6枚のものがありますねえ。 山野草に興味の無い方には退屈かも知れませんが、明日も続きます。 <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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