テーマ:最近観た映画。(39960)
カテゴリ:芸術論
<映画と夢>
久しぶりに映画を観た。アニメの『メアリと魔女の花』だ。観たい映画がない場合は、予めネットで映画館のスケジュール表から作品案内を観て確かめる。それで食指が動かない場合は観ない。面白そうだと思ったらさらに予告編を観るなどするが、これはその予告編が物凄く良かった。特にアニメの場合、私は自分の直感を大切にする。他人が面白いと言っても心の琴線に触れなければお金を払うのは無駄だ。 原作は1950年代から80年代にかけて活躍したイングランドの女流作家メアリー・スチュアートの『小さな魔法のほうき』。同名の女性に1607年に2歳で夭折したスコットランドの女王の王女がいる。 監督兼脚本は『思い出のアーニー』の米林宏昌。スタジオジブリを退社し、新たに出来たスタジオポノック社で製作した作品。私はどちらも良く知らないが、予告編で観た限りでは『思い出のアーニー』はどこか薄っぺらい感じがして、映画を観ようとする気持ちは起きなかった。だがこの作品は描写がとても丁寧で美しい。原作と脚本、絵コンテが良かったのだろうが、新会社の意気込みも感じた。 7年に1度しか咲かない不思議な花「夜間飛行」を猫の案内で森の中で見つけるメアリ。その花が持つ魔法の力で、メアリは空を駆けることが出来た。メアリと猫が向かったのは魔法の国。ここで1人と1匹はとんでもない目に遭遇するのだが・・。 これが主な登場人物と声を担当した声優たち。小日向文正の魔法博士が秀逸。渡辺えりははまり役。後は可もなく不可もない程度。 ところが主役のメアリのアテレコを担当した杉咲花が意外や意外、驚くべき才能を見せた。この女優がNHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』の三女役を演じたことは知っていた。だが名前すら憶えていない程度。あの幼いイメージの強かった女優が、なんと七色の声を聴かせてくれたのだ。これにはビックリ仰天した次第。 <赤い館村の風景> 人は映画に夢を託す。それは現実では適わないことの裏返しなのかも知れない。アニメならなおさら、登場人物も場所も時代も自由自在。だがただそれだけでは観る者の心に訴えるものは少ない。自由なストーリー、自由な描写の中にも愛や真実や夢など、人間が失ってはいけないものが描かれているからこそ、人は虚構と知りながら感動するのではないか。 大勢の子供たちと一緒に、私は良い映画を観たものだ。映画って本当に良いですね。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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