テーマ:美術館・博物館(1556)
カテゴリ:芸術論
<ラスコー洞窟とクロマニョン人の芸術(1)>
今日は。クロマニョン人ってご存知ですか。現代ヨーロッパ人の直接の先祖に当たる人種で、先史時代の人たちです。5月中旬のある日、私は東北歴史博物館(宮城県多賀城市)で『特別展世界遺産ラスコー展』を観て来ました。サブタイトルに「クロマニョン人が残した洞窟壁画」とあるように、テーマは世界的に有名な壁画なんです。既にブログで紹介済みですが、今回は残った写真を掲載したいと思います。 これがラスコー洞窟がある村の風景です。洞窟は右手の渓谷沿いにあります。 これがラスコー洞窟の入り口です。1940年のある日、穴に落ちた愛犬を救おうとした村の少年が偶然洞窟を発見したのです。その後洞窟を探検した人たちが、おびただしい数の壁画を発見。学術的な調査の結果、今から約2万年前、先史時代のクロマニョン人によるオーニャリック文化であることが判明しました。1979年に世界遺産に登録され、立ち入り禁止となる代わりに、精巧なレプリカが展示されています。 <ネコ科の部屋> 洞窟内はとても広大で、壁と言う壁は彼らが描いた絵画で溢れています。展示された作品は全てレプリカであり、そのほとんどは撮影が許可されています。洞窟ごとに「テーマ」があるようです。クロマニョン人たちが住まいとして使用したのは、洞窟の入り口付近だけ。洞窟内は真っ暗で、彼らはランプの灯りだけを頼りに、次々と壁面を動物の絵で満たして行きました。 鹿の仲間でしょうか。しかとは分かりませんが。 物凄い絵心で、動物の特徴を良く捉えています。とても2万年前の作品とは思えませんね。 頭に突起のようなものが見えています。ウシ科の動物かな? *) 野牛に倒された人間のように見えますが・・。 * 説明板には「井戸状の洞窟」とありました。場所の名前です。 オオツノシカでしょうか。絵具も使って描かれています。 これは「現代の第3の洞窟」で、真っ暗な中でも分かるよう蛍光塗料で描かれています。 絵の具の色は何種類かあります。絵に対する執念が半端じゃないですね。 牡牛たちの躍動感が凄いです。エネルギーの塊ですね。 *)の絵を広範囲に見た図です。呪術性を感じる絵ですね。 輪郭を切り取った馬。デザインとしても秀逸です。 「牡牛の広間」と呼ばれる空間。人物と比べると洞窟の巨大さが分かります。 野生の馬でしょうか。家畜ではなく狩猟の対象だったのかも。 太った牛の群れは、きっとクロマニョン人たちの生命を繋いだのでしょう。 猟場は洞窟からかなり離れていたはずです。それでもこれだけ正確に動物たちの姿を描けたのは、クロマニョン人たちが素晴らしい観察力と芸術性を保有していた何よりの証でしょうね。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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