カテゴリ:写真
<A公園にて>
9月29日。近所のA公園へ歩いて行った。7月下旬から9月の上旬まで、私は体調不良の状態だった。てっきり自分の老化と天候不順のせいだとばかり思っていたのだが、頭の中に200ccもの血が溜まっていたためだったのかも知れない。頭痛、目まい、失語、不安、気力減退などが生じ、片付けがなかなか進まずにいたのだ。そして運動もごくたまに近所の坂道を往復する散歩に留まっていた。 それが思いがけず2番目の脳神経外科で「慢性硬膜下血腫」と診断され、その日のうちに3つ目のS病院に緊急入院し、翌日手術を受けた。準備を入れてもわずか1時間の穿頭手術。後はドレーンでゆっくり頭蓋骨内の血を抜くと言う単純な療法。5日目に退院し、1週間後にCTスキャンと抜糸。それで頭痛やめまいは消えた。久しぶりにA公園へ行ってみようか。そう考えて出かけたのである。 公園の木のうち何本かで黄葉が始まっていた。恐らくここを訪れたのは3か月ぶり。だから久しぶりの公園は新鮮に見えた。ただあまり長く歩く気がせず、公園の池を一周して再び家路に就いた。今日の写真はその際に撮ったもの。何の変哲もない風景だが、これでも私には嬉しいのだ。極端なことを言えば、地獄から天国に引き戻されたような気持だったからだ。そんな訳で、しばらく平凡な写真と付き合ってほしい。 ここが公園の西側の入り口付近。公園の名前の元になった沼が前方に見える。 静まるA沼。夏の頃はホテイアオイが繁茂し過ぎて、トンデモナイ環境になっていた。それが腐って除去されたのか、元の澄んだ水に戻っていた。木々の彩も若葉から青葉に変わり、今は少し黄色く色づいて来た。私が苦しんでた間にも、季節は確実に移ろっていたのだろう。次第に夕暮れが迫る。秋の彼岸を過ぎて、日照時間も少なくなって来たようだ。 沼を一周しながら西の方を向くと、低くなった秋の日が水面に反射した。夕暮れ近い静寂の時。 住宅地の中にある小さな沼。こんな沼にもここをねぐらにするものがいる。 沼の東側には中学校がある。風がないせいで、水面に映る木陰まではっきりと見える。 少し揺らめく水面に、青空と雲が映っている夕刻。 これが水面を揺らした張本人たち。この沼をねぐらにするカルガモだ。 中にはこの沼で生まれた兄弟たちもいるが、増えた仲間は大抵他へ飛んで行く。 泳いだ後ろには小さな波紋。何と軽やかななリズムなのだろう。 ボクらの餌は藻なんだよ。でもパンを投げればみんな集まって来るさ。 倒木の上は、ボクらにはちょうど良い休憩所なんだ。 この沼は餌が多いし、敵がいないからとっても安心なんだよなあ。ガーガー。 夕暮れの公園と、遊びに来た親子連れ。 「さよなら三角、また来て四角♫」蜘蛛の糸に絡まった桜の葉が、クルクル回っていた。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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