テーマ:美術館・博物館(1557)
カテゴリ:文化論
~仙台市博物館の特別展から~
第5回目の今日は「ナスカ文明」の紹介です。きっと「ナスカの地上絵」は誰でも聞いたことがあると思います。ペルーの海岸部に位置するナスカは、紀元前200年頃から紀元650年頃までに栄えた文明でしたが、常に水との戦いでもありました。最後は頼みの水が消えて、人々は山岳部へと向かったようです。ここには山形大学の研究所があり、新たな地上絵などを発見しています。 ナスカは約850年ほども続いた文化で、当然のことながらここには人が暮らしていました。従ってその人たちが使用した道具も遺物として発掘されています。これは4つの首のある土器。顔と言わずに首とある所から、捕虜などを描いたのかも知れませんね。 階段状の基壇建築です。これはミニチュアですが、きっと元になった建築物があったのでしょうね。 やはりありました。カワチ神殿だそうです。私達は地上絵しか知りませんが、当時の人々が祀っていた神殿が存在したのです。あれだけの規模の地上絵を描いた人々ですから、それに相応しい文化を有していたのでしょう。 スポンディルスと言う美しい貝殻を髪の毛に通したネックレスのようです。 ひょうたん型の土製容器に描かれた神様は、何か植物を身にまとっているみたいです。 その身にまとったものがどんなものか、ズームアップしてみました。 「波の模様」のように見える線は、どうやらクモの手足みたいですね。 こっちは魚だとはっきり分かります。 縄をかけられたリャマですって。あリャマ。 小学生が描いた絵も負けてないねえ。 持ち手紐が付いたコカ袋(左)と房が付いたバッグ(右) 幾何学模様の織物ベルトです。見事な美術品ですね。 糸を巻き付けた房を持つコカ袋。コカの葉は日常的なし好品で、口で噛んでいたのです。 やはり音楽が好きだったのでしょうね。 木像の顔をアップしてみました。 人の顔を持つ神様です。 顔の部分を縦向きに直しました。 土器の下に描かれたしっかりとした顔の人面。 いずれも見事な作品ですね。 「ナスカ」の最後はやはり地上絵で締めましょう。地上の黒い石をある一定の幅で退けると、中から白い部分が現われます。これが「線」となるのです。元図はとても小さいのですが、それを杭とロープで拡大して正確な図に描く方法です。高度な文化を持ったナスカの人々も、飲み水が途絶えたことでこの地を去り、より高い山へ向かったと考えられています。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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