カテゴリ:旅、温泉
~楢下宿こんにゃく番所にて~
厳寒の蔵王温泉から下山して、次にバスが向かったのは麓の上山市でした。裏道を通って、どこか田舎の方へ着いたみたいです。そこには「楢下宿こんにゃく番所」とありました。私はアッと驚きました。その名前は憶えていました。今から8年前の5月、宮城県白石市駅前から七ヶ宿町を通り、県境の金山峠を越えて降りて来たのがこの前の道。とてもユニークな名前だったので忘れられませんねえ。 この道は旧「羽州街道」だそうです。福島県の国見で奥州街道と別れ、峠を越えて宮城県の七ヶ宿町へ入り、7つの宿場を通って最後の宿から右に曲がると金山峠経由で、この楢下(ならげ)宿へ出るのです。何回か1人で走った「峠越えラン」。あれは68歳の時で最後の峠越えになりました。距離は63km、ゴール地点はJR上山駅でした。まさか、あの時に見たこの店に入るとは感無量。 それにしても「こんにゃく懐石料理」で、本当に腹が膨れるんだろうか。私はそんな風に疑っていたのです。 薄暗い室内からは庭の雪が。くっきりとした明暗の対比です。 古民家風の建物には、こんな間接的な照明がお似合いですね。 こんな部屋には障子がとても良くマッチしています。 まるで「雪見障子」みたいな感じで、北国の冬の景色が丸見えです。 部屋の一角には小さな神棚が祀られていました。それにしても実に立派なしめ縄ですねえ。 一の膳と箸袋です。稲穂は炒ってあり、白くなった米はポプコーンのようで香ばしく、とても美味しく食べられますよ。 なます、生菓子、晒しクジラなど、すべてがコンニャクで出来ています。とても上品な味で、おなかも満腹。大満足でしたね。お土産にはコンニャクと山菜の佃煮をいただきました。 この照明、一体何だか分かりますか。これはきっと山形名物の「玉こんにゃく」でしょうね。丸いこんにゃくを4個ほど串に刺し、大きな鍋でことこと煮るんです。すると醤油が良く沁み込んでねえ。県内の観光地ならどこでも売っています。安くて美味しい山形の「玉こんにゃく」をどうぞ召し上がれ。 すっかり満足したツアー客たちは、バスに乗って次の訪問先に向かいます。 お店の外には「益栄(ますえい)の水」が滾々と流れ出していました。これは蔵王連峰からの伏流水なのでしょう。この楢下宿にとっては昔から大切な生活用水だったみたいです。美味しかったこんにゃく懐石料理にも、きっとこの水を使ったのでしょうね。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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