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マックス爺のエッセイ風日記

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2019.03.04
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~ハノイの2人~

   

 トランプさんは静かにハノイに来、かつ慌ただしくハノイを去って行った。2回目の米朝首脳会談。ハノイを希望したのは北朝鮮だった由。金正恩氏はピョンヤンからベトナムまで列車でやって来た。会談の決裂後も直ぐに帰国せず、ベトナム首脳に謝意を示した。帰路は北京に立ち寄る可能性もあるそうだ。今回の4500kmもの列車での長旅は、祖父金日成の故事を見倣ったとも言われる。

        

 会議直前のトランプさんにはとても余裕があって、「私たちは急がない」と重ねて表明した。これに対し若いエリンギは「私たちには時間がない」と焦り気味で、表情に落ち着きがなかった。あの時から腹の探り合いが始まっていたのだろうが、結果を知ればトランプ氏の落ち着いた態度にも納得が行く。

    
         <ベトナムの国花であるハスと地図>

 両国が事前協議したわりには齟齬が目立った。まず米国の「報道センター」が会談当日になって急にホテルから追い出された。そこは北朝鮮ご一行様のお宿だったのだ。次の齟齬は2日目のランチミーティングと共同発表が、突然中止されたこと。会談の決裂にはビックリ。世界中の誰もが唖然としたことだろう。ひょっとして驚かなかったのは、米国サイドだけだったかも。ウィンク

      

 今回トランプ氏は苦戦したのではないか。かつての個人弁護士であるマイケル・コーエン氏の公聴会が、当日議会で開催されたのだ。例の「ロシア疑惑」や過去のセクハラのもみ消し疑惑だ。コーエン氏の証言の模様は、ハノイの2人も確認していたみたいだ。トランプ氏は「これではうかつな決着は出来ない」と判断し、一方エリンギ君は「相手には弱みがある」と、多少楽観視していたはずだ。

  

 彼が今回旅立つ際は「捕らぬ狸」を思ってたのか、珍しくオープンな報道だった。交渉にかなりの自信があった証拠だろう。一方トランプ氏は議会対策や中国との貿易戦争、IT企業ファーウェー幹部拘束への対応など難問が山積していたこともあり、北朝鮮の要求を飲む確率がかなり高いと予測されていた。

    

 だが土俵際でうっちゃった背景には、ポンペイオ国務長官らの懸命な説得があったと聞く。ここで安易な妥協をすれば多少の成果は得られても、北朝鮮の核の危険性は未来永劫解決しないと。その北朝鮮は寧辺(ニョンピョン)の核施設閉鎖などを提案し、その見返りに経済制裁の解除を求めたようだ。だがそれくらいの譲歩で引き下がるトランプ氏ではなく、即座に席を立った。役者が一枚上だった。

  

 アメリカは偵察衛星などで、北朝鮮国内の核施設や実験施設を確実に掌握していた。会談ではそれをほのめかし、外国による査察検証及び施設の破壊を求めたと言われる。ミサイル発射と核実験休止はこれまで通り約束済み。このまま経済制裁を続ければ北朝鮮はさらに窮すると読んでいた。「我々は急がない」と重ねて強調したのは、そう言う意味だったのだ。

           

 これにはエリンギ君も参った。今回はかなりの「戦利」が得られると読み、意気揚々と国を出て来たのに、手ぶらで帰国する惨めさ。途中、中国には何と説明するのか。さて、北朝鮮国内で今後どのような報道がなされ、国民がどう落胆するかが見もの。「あれがトランプ氏一流の駆け引きか」と、エリンギ君は改めて自分の若さを認識したのではないか。

 

 今回の結果に一番ショックを受けたのは文大統領ではないか。何せ南北融和と経済援助を勝手に演出・推進していたのだから、韓国の株価が急降下したのも当然だ。また日米の結束の固さにも青ざめたはず。「独立100周年」も失速した。背筋がゾーっとしたのは習さんも一緒。トランプ氏の本気度を、今回改めて感じたはずだ。90日間猶予されていた貿易と関税に関する3度目の交渉が間もなく始まる。

  会談前の2人  

 安倍総理は帰国中の大統領専用機の中から、会談結果の報告を受けた。北朝鮮の経済発展には日本との講和と拉致被害者の解放が欠かせないとエリンギ君を2度説得したことも。北朝鮮の核放棄問題は五里霧中。解決への道のりは遥かに遠く、我が国もその影響を受け続ける。間もなく貿易と関税に関する米国との協議が始まる。国会議員には国際情勢に目を向け、高い見地からの審議を望みたい。





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Last updated  2019.03.04 07:49:33
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