テーマ:写真俳句ブログ(37596)
カテゴリ:俳句
~わが貧しき句より~
区の施設からハガキが届いた。来年度の「俳句教室」への応募の返事。何とか募集人数の中に潜り込めたようだ。これでまた1年間俳句を楽しむことが出来そうで嬉しい。以下は3月の教室へ提出した句。 奥つ城の六字名号加賀は春 奥つ城(おくつき)はお墓のこと。六字名号(ろくじみょうごう)は「南無阿弥陀仏」。私は石川県の地方に勤務したことがある。そこは昔から一向宗の強い土地柄で、今で言えば浄土真宗に当たる。何せ約1世紀ほどを一向宗徒の農民や野武士が加賀一国を支配した歴史があるほど。 単身赴任だった私は、毎日のように里へ下りて散歩した。コースの途中に広大な墓地がある。ずらりと並んだ墓石には「南無阿弥陀仏」の名号が彫られ、すべて西方浄土に向かっていた。信仰深い人々は、毎朝お墓に花を供える。一晩に60cmも雪が積もる土地柄でさすがに冬は寂しいが、春ともなれば庭の花を切り墓前に供える。その光景を思い出したのだ。以下は旅の思い出などを詠んだ。 風花や湯立て神事の夜は更けて なまはげの息白々と柴灯祭り *せど なまはげに似たる男や酒臭し 鬼打てる太鼓の音や山眠る 圧雪の道遥かなり柴灯祭り *あっせつ 餅花やあめっこ市の仮宮に *かりみや 凍て星に紙風船は吸はれけり *いてぼし かまくらや水神様の灯の揺るる 福寿草妹背契りし日のとおく *いもせをちぎる=結婚 蝋梅や老ひの歩みの覚束ず *ろうばい :おぼつかず 三月や去り行く友の低き聲 *こえ 妻去りて雛人形も見ざるまま 雛人形捨てて寡の夕餉かな *やもめ みちのくの土も吸はれぬ春嵐 *はるあらし 清明やたましひ洗うごとき雨 *せいめい 清明や父母遠き山の寺 *ちちはは てふてふや天地返しの土の色 *蝶々 春日や遊び疲れし子らの貌 *しゅんじつ *かお お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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