カテゴリ:写真
~まるで研究所か実験室のような~
2月の秋田旅行で、盛岡の酒蔵を訪ねた。盛岡は岩手県の県庁所在地。旅のレポートはこれまで『秋田・雪の国へ』と言うタイトルで紹介して来た。それなのにシリーズへ組み込むのはどうかと考え、これだけ別にすることにした。 まあ、そこまで厳密に考えることもなかろう。そうも思ったのだが、実は秋田県の大仙市大曲でも酒蔵を訪れている。それが実に対照的で驚いた次第。先ずは盛岡の酒造所を紹介し、少し間をおいて大曲を紹介したいと思う。さて、違うのは何なのか。杉玉や看板がぶら下がる門は一緒なのだが。 建物内に入って驚いた。人がいないのだ。これはどうしたことだろう。酒蔵と言えば杜氏(とうじ)が忙しげに働く姿を想像する。特に南部杜氏は優秀なことで名高い。その姿がどこにも見えない。 実験室のように静まり返った室内(上)や、ステンレススチールで出来たような大型の容器。これは想像していた醸造所や酒蔵とはあまりにも違う。 だからこんな古びた装置が見つかると、なぜかホッとするのだ。 だが、木製の大樽が使用された気配が、どこにも感じられない。その違和感から私はどうしても逃れることが出来なかった。 「杜氏の人はいるんですか」。あまりにも工場のように思えて、私は案内してくれた方に尋ねた。「はい、1人います。職員は全部で3人です」。その人は何事もないようにそう答えた。 そうか、それで分かった。ここでは杜氏の勘に頼って酒造りをしているのではなく、すべてコンピューターがデータを管理し、システムが稼働しているのだろう。それは杜氏の不足や、採用難と関係してるのかも知れない。全てが手作りだった昔とは違うのだ。 販売コーナーに戻ると、色んな銘柄のお酒が並んでいた。いずれも先ほど見学した「工場」と「実験室」で作られた製品だ。ほほう。やはりここは酒造メーカーに間違いなさそうだ。 中には「乳製品」と見間違えるようなお酒もあった。まるでサワードリンクみたい。 濁り酒もあった。「どぶろく」の製造工程があるとは意外だ。 これは旨そう。大吟醸の原酒だもんねえ。試飲は無理なのかなあ。 代表格の銘柄は、各種の賞を受賞しているとか。フルーティーな味が好評の由。 貧乏人は値札を見つめて茫然。世の中にはリッチな人がいるんだんねえ。 試飲用はそれなりのもの。もちろん美味しくいただきましたがね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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