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マックス爺のエッセイ風日記

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2019.04.01
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テーマ:短歌(1696)
カテゴリ:短歌
~熟年離婚を詠む~

          

       あまたある言葉の中で哀しきは「熟年離婚」の重き現実
       エイプリルフールのその日選びたる華燭の典はいづこに去りし
       調停後分割されたる年金を大事に使ひ命をつなぐ
       世迷言泣き言すべて捨て去りて食料品を黙々選ぶ :よまいごと

    

   離婚より二年経ちてやうやくに家事の手順もスムーズとなる  *ふたとせ
   子は三人いづれも遠き地にありて忘れられたる老父の日常   *みたり
   七十も半ばとなれど悲しみをわれな忘れそなほ生くるため

    

    女とは妖怪変化と気づきつつまだ煩悩に取りつかれをり
    唐突に怒りの言葉吐き出せど聞く人もなしわれのほかには
    迫り来る不安を無理に押し込めて一日終へたりあしたは如何に  *ひとひ
    真夜覚めて胸の動悸を怖れつつまた床に就く独り身のわれ

    

    朝食の後に飲みたる六種もの薬の名をばつひに覚えず
    余人には体験出来ぬ離婚すら人生修行と受け止めて生く
    三月も晦日となりて降る雪を清しと見つつ春の日を待つ
    時ならぬ春の雪とはなりにけりされど闘志はいまだ捨てざる

    

   別れたる妻は健やかに過ごせるや炊ぎの間にもふと思はれて *かしぎ=炊事
   昏き歌されども捨てずわが胸に湧き出したる言の葉なれば  *くらき
   埋火のごとく耐へをるわがいのち春はいつ来るいつ来る春は *うづみび
   融けそめてまた降りかかる淡雪に平成の御代いま去らむとす

          

        苦しみを喜びとなし生かしめてさらなる試練われに与へよ





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Last updated  2019.04.01 15:28:55
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