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マックス爺のエッセイ風日記

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2019.05.23
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カテゴリ:生活雑記
<食べること そして走ること>

  

 「面白いことに」。男は言うのだ。「俺は食べたくないなんと言うことはないんだよなあ」。つまり言葉を変えれば、適当な食欲が絶えずあるってこと。それもその時何が一番食べたいか、その材料が冷蔵庫などにあって、作ることが可能かと素早く考える。代用品になる材料があれば良し。代用が利く調味料があれば、それもまた良し。作る手順を考え、複数回に分けて食べられる量も考える。

       

 例の10連休のころ、男は無性に酢飯が食べたくなった。そこで考えたのが稲荷ずし。「いなり」に味が付いていることに初めて気づいたのは、その少し前。ご飯を炊き、「すし〇郎」をまぶし、炒り卵と冷凍食品の「ミックスベジタブル」も入れた。紅ショウガがあればグーだが、そこまで贅沢は言わない。サラダや動物性たんぱく質も添えて、極力バランスの良い食事を心がける。

  

 4月の末に7kmを走った後、男は少し自信をつけた。これなら9kmコースを走っても大丈夫だろうと。本当はめまいや耳鳴りはしょっちゅうあるのだ。自分では「メニエル氏病」を疑っている。古い「家庭医学」によれば、症状がピッタリ。几帳面で神経質な性格の人が罹り易いとも。かつては「手術」を施した時期があった由。病因の特定は出来ないが、薬の副作用も疑い切れない。

       

 それでも走ることに決めた男。海宝道義と言う高名なウルトラランナーを思い出したのだ。確か40代の頃猛烈な企業戦士だった彼は、糖尿病とメニエル氏病に悩まされていた由。それを克服するために始めたのがランニング。それがやがてウルトラマラソンにはまり、距離4千km以上の「トランスアメリカフットレース」を日本人で初めて踏破した人。日本のウルトラ界の草分けだ。

  

 男は後期高齢者。海宝氏とは比べようもないが、40年の走歴で試してみる価値はあると判断したようだ。そんな訳で、今月は9kmコースを7回走った。いや、歩いたと言うのが実態か。そしてそのことを、かかりつけのドクターにも話した。1か月近くつけた「血圧手帳」を見せ、6月末には台湾へ行くことも。ドクターは言った。「血圧が150程度では脳出血にならない」。それも嬉しく聞いた男だ。

       

 ある日9kmコース途中の坂道を走っている時、突然男は呼び止められた。男のユニフォーム姿に何かを感じたのだろう。暫し立ち止まって健康談義やらの人生談義。男より3才年下の元教師。彼が聞き出すまま、現状を話した。前妻と別れての一人暮らしであること、めまいがありながら走っていることなど。

  

 「もしも家族がいても、最後は1人で死と対峙することになる」との男の言葉が、彼の琴線に触れたようだ。足元の不確かな坂の途中で30分休めば調子は狂うが、尋ねる人には応えるのが男の主義。家に着いたら、強風で干していた布団が2階から落ちていた。午後はさらにゴムの鉢植えが2度倒れて、土がこぼれた。低気圧が通過中なのか、夜は猛烈な雨。翌日、男が走りに出た気配はない。<不定期に続く>





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Last updated  2019.05.23 00:00:20
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