テーマ:美術館・博物館(1556)
カテゴリ:芸術論
~スーパークローン文化財を目指して~
今日はシルクロードとは無関係。特別展のテーマのうち「最先端技術」を取り上げる。さて、「スーパークローン文化財」とは芸術の保存と公開の相克を克服するために、東京芸術大学で開発された芸術と科学の融合による高精度な文化財の再現(複製)のこと。最先端のデジタル技術と伝統的なアナログ技術を融合し、技法、素材、文化的背景など芸術のDNAに至るまでの再現を目指したもの。 冒頭のゴッホの「自画像」もマネの「笛を吹く少年」も、この最新技術で再現された。以下にこの技術の特徴を上げる。 1)素材 スーパークローン文化財は、絵の具の部分のみならず、その下の見えない土台まで拘り、可能な限りの再現を行っていること。 2)最先端技術 高精細撮影機器による撮影や3D計測を行うなど、最先端技術を積極的に導入し、日々進歩した制作を行っていること。 3)審美眼 科学では補えないオリジナルの真意を理解し、スーパークローン文化財の制作に生かすことで品質の高度を保つこと。 4)臨場感 作品単体の複製に止まらず、オリジナルが設置されていた空間をそのまま再現することにより、その場にいるような臨場感と五感を刺激する空間表現に挑戦していること。 以上の理念が昨日までの展示物(ネットから借用したものを除く)に生かされています。またオルセー美術館の油彩画の高精細デジタル撮影によって得られたデータを使用して作成された「スーパークローン文化財」が下記のものです。 ゴッホ「自画像」 ゴッホによる浮世絵の模写 ゴッホによる浮世絵の模写 ゴッホの風景画 ボナールの人物画 セザンヌの静物画 左=マネ「笛を吹く少年」油彩 右=3Dプリンターなどで再現された立体的な少年像 以下の作品はオリジナルの浮世絵をアニメ風の動画に加工した「浮世絵アニメ」です。静止画なのが極めて残念ですが、実に面白いですよ。 左=猫が窓際の台に飛び乗って表通りを眺めます。 右=遊女が手を動かし、「しな」を作ります。 左=静かな小雨のハスの上です。 右=突然空が暗くなって大粒の雨が降り出し、通行人が慌てて橋を渡ります。<続く> <台湾ツアー第2日目> 本日は台北から台中へ移動し台中市内および日月潭観光。高雄に移動し蓮池潭観光予定です。 <ローズコーンさんへ> 無事退院され、帰宅されたことでしょう。おめでとうございます。 当分お忙しくてブログを覗く暇はないでしょうが、どうぞお元気でお過ごしくださいね。ご主人様もさぞかし安心されたことでしょうね。では帰国後にまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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