テーマ:世界への旅(365)
カテゴリ:旅、温泉
~街の芸術家たち・台中市「彩虹眷村」のペイント芸術~
ツアー初日、最初に案内されたのが台中市の中心部にある再開発地区。バスから降りて歩いて行くと、何やらゴチャゴチャ絵が描いてある家が前方に見えた。たくさんの人が見えるが、一体何をしてるのだろう。これが観光とはとうてい思えないのだが。 ほほう。これは賑やか。何とも不思議な光景だ。元々ここは再開発のため、取り壊される予定の地区だった由。ところがどうせ壊されるなら、その家に絵を描いて見ようと考えたお爺さんが現れた。 どうやら最初に絵を描き始めたのがこのお爺さんみたい。説明によればこのお爺さん、何と90歳で絵を描き始めたようだ。それにしても世の中には不思議な人がいるもんだ。 小屋に入ると、壁にこんな絵が張ってあった。これがこのお爺さんが描いたものかは分からない。なぜかと言うと廃墟の絵が評判になり、何人もの「にわか画家」が出現したからだ。 何だか漫画チックな絵。児童画のような雰囲気で、夢を感じる。 私は目の前に広がる「芸術作品」を、片っ端からカメラに収めた。だから載せた順番は、ほぼ撮影した順番に等しい。 圧倒的なそのエネルギーに驚く。なおこの一角の名は「彩虹眷村」で(さいこうけんむら)と読む。鮮やかな虹のような絵を描く仲間の村とでも言うのだろう。眷は眷属(けんぞく)の眷で、元々は仏教用語。言って見れば一族のようなもので、私は仲間と訳してみたのだが。 描かれた絵には何の気負いもてらいもない。自分が好きなものを好きなように描いたと言った感じ。 描かれた絵が面白いと評判になって、人が集まり出した。すると「画家たち」は調子に乗って廃屋に絵を描き、その物珍しさにさらに人が集まると言う寸法。 市当局は慌てた。本来は家々を取り壊して、都市計画を実行する予定だったからだ。 これだけ評判になって人が集まり出すと、もう取り壊してしまうのは無理。 そこで台中市の関係者は考え直した。こうなったらこの村を残し、観光客を呼んだらどうだろうと。 その思惑は当たった。何とこの村の評判を聞きつけ、外国からまで観光客が来出したのだ。 こうして絵が描かれた廃屋の保存が決定し、画家たちは安心して再び絵を描き始めた。 私たちも、まさか台湾観光の初っ端に、こんな場所に案内されるとは思いもかけなかった。だがこうして見ると、なかなか面白い。そして本来の都市計画を断念して「芸術」を残した台湾人の度量も、案外大したものだと思い直したのだった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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