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マックス爺のエッセイ風日記

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2019.09.12
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テーマ:世界への旅(365)
カテゴリ:旅、温泉
~台湾のさだめ~

        

 4泊5日の台湾ツアーが私にもたらしたものはなんだったのだろう。台湾が「親日国」であることは知っていた。だが「国」とは言っても、中国はそれを認めていないどころか、数々の嫌がらせをしている。台湾と国交を結んでいる国に莫大な支援金を支給する見返りに、台湾から中国への国交を強要しているのだ。今台湾の拠り所は、トランプ氏の「中国けん制」政策。最後に点る微かなろうそくの灯りだ。

  

 ガイドの陳さんに「沖縄独立論」のことを話した時、彼の心が動揺したと感じた。だがそれは彼に期待を持たせるためではなかった。同じ日本に属する沖縄が、なぜ日本から独立する必然性があるのかと言う積りでのこと。中国からの渡来人が国民の大多数である台湾と、同じ地平に立たせる意義があるのかは不明。何せ台湾の中国化は、中国共産党の「核心的利益」そのものであるだろうから。

      

 かなり昔の話だが、台湾の国会では反中国派と親中国派とが取っ組み合いの喧嘩をしてる映像を観て驚いたことがある。まさか議員が聖なる議場で取っ組み合いの喧嘩とは。それもかなり本格的な殴り合いで、眼鏡は吹っ飛び、マイクが壊れるほど迫力のあるものだった。かつて台湾海峡に浮かぶ台湾領の金門島、馬祖島と中国軍が砲火を交えたことを知っている。今回は台湾の軍事基地を初めて目にした。

  

 古くは明、清の時代に台湾へ移民した漢民族は、16の原住民と混血し新天地を開拓した。それが日本の統治下に置かれ、インフラの整備をはじめ、教育、文化、医療、産業が飛躍的に向上した。だが中国本土での共産軍と国民軍との間で起きた激しい内乱。敗北した国民軍は、止む無く台湾へ逃げ込んだ。北京の故宮に収蔵されていた数々の財宝を手にして。それが台北の故宮博物館の収蔵品の骨格だ。

       

 台湾へ逃げ込んだ蒋介石は、台湾人を蔑視し過酷な政策を執ったと聞く。いずれの日にか、中国本土の共産軍に勝利したいと願っていたのかも知れない。王朝時代の琉球は中国皇帝から「大琉球」と呼ばれ、一方蛮族が多く住んだ台湾は、「小琉球」と蔑まれた。また一時オランダの統治下に置かれたり、倭寇の基地ともなった台湾。数々の試練と数奇な運命を辿った台湾は、やがて近代国家へと発展した。

  

 悲惨な朝鮮動乱を経験した半島の分断国家とは異なり、日本統治時代のインフラを最大限に活用し、誠実な国民性から着実に民主的な近代国家へと変身した台湾は、サンヨーなどの日本企業を買収するほどまでに成長した。片やいつまでも日本を憎み続け、自らの矛盾には目を瞑る半島国家と、世界の経済大国に変身した本家中国に一目置かせる立場の台湾。まさに好対照の国家観だ。

       

 次のような言葉があるらしい。「昨日の中国。今日の香港。明日の台湾」。私の理解はこうだ。文化大革命で自由を訴える自国民を1万人も虐殺した中国。99年間の貸与期間を終えた香港へ適用された「一国二制度」の現実。次に待っているのは中国の武力による台湾統一か。香港市民、特に若者たちの中国への猜疑心は相当なもの。それはこれまで享受して来た自由が奪われると言う危機感に相違ない。

  

 現地ガイドの陳さんは、目下台北市内で独り暮らし。奥様と長男はシンガポールで生活し、長女と次男はオーストラリアとアメリカへ留学中。それは台湾の将来を憂慮して出した結論なのだろう。私が台湾を訪れたのは7月だが、翌月から中国からの観光客が激減した由。激動する世界情勢。そんな中で今後日本が採るべき道は何なのか。ツアーは単なる観光ではなく、私にとっては生きた勉強そのものだ。

          

 大暴走中の半島国家だが、今後東アジアはどう展開するのか。南シナ海の2つの浅瀬は埋め立てられ中国の要塞と化した。中国共産党によれば、南シナ海も香港も台湾も、そしてわが沖縄の奪回も、彼らの「核心的利益」なのだとか。さて最初のシリーズと合わせて合計40回に及んだ台湾紀行だが、実はまだ終わりではない。残った「台北故宮博物館の秘宝」を、いずれ紹介する予定。どうぞお楽しみに。ではまた。<完>





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Last updated  2019.09.12 13:38:47
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