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マックス爺のエッセイ風日記

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2019.10.19
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<一抹の不安>

  

 週末の雨が心配だ。もちろん先日大きな被害を出した災害地での雨だ。千葉の大停電を起こした台風15号は典型的な風台風。たくさんの電柱が倒れ、樹が倒れて未曽有の大停電を惹起した。一説によれば千葉県の杉は病気に弱いとのこと。木材としては売れないことも、山林に手が入らない理由となり、倒木につながったのかも知れない。私は漠然とそんなことを考えていた。

      

 一方台風19号は典型的な雨台風。それも100年に1度の規模での降雨量がもたらした災害だった。原因は猛烈な水蒸気が高い山々に遮られて巨大な雨雲となり、台風の速度が遅かったことが災いして集中豪雨となった。24時間降雨量が2か月分を越えた地区もあったとは驚きだ。日時の経過とともに明らかになった被害の大きさとその内容に、国民の多くが驚嘆したはずだ。

  

 私が住む仙台でも2人の死者と1名の行方不明が出た。1か所は普段は水深が50cmほどの小川。だがあの夜は4mほどにもなって、橋の上まで水が来ていたと言う。もう1か所は広瀬川の下流域で、河川敷には広大な耕作地があった。こちらはひょっとして川の増水状態を確認しに行ったのではないか。もし見に行かなければと思わずにはいられないが、残念ながら時間を止めることは出来ない。

       

 長野新幹線の車両基地が水没したことに驚いた。「ハザードマップ」では最大10mの浸水が予想される場所とのこと。千曲川の一部が極端に狭まっていたのが直接の原因だが。不幸にして予想が的中した感じ。長野マラソンを走った時に、河川敷にリンゴや桃の木がたくさん植えられているのを見たが、あれも原因のように思う。浸水の恐れがある新幹線の車両基地が全国で6か所はあるらしい。

  

 利根川や荒川が氾濫するんじゃないかと怖かった。ある方がブログに書かれていた。この2つの川は徳川家康が江戸に幕府を開いた際、河川の流路を変える大工事を行った。結果、利根川は東に向かって銚子が河口となり、荒川は西に向かわせて江戸の氾濫を防いだ。元は2本とも相接して流れ、東京湾に注いでいたのだ。それにしても多くの支流が注ぐ利根川が、良く氾濫しなかったものだ。

       

 それを救った一つが「首都圏外郭放水路」の存在。これは春日部市から江戸川へと緊急に雨水を流す地下水路で地下50mの巨大な暗渠。これが埼玉県東部を水害から守った。もう一つが群馬県の八ッ場(やんば)ダム。旧民主党の主張で工事が中止になるところを、間一髪で救われこの度完成した。貯水量がほとんどなかったところに今回の大雨。ダムが満杯になるまで頑張ったお陰で下流の氾濫が防げたのだ。

  

 本流の水量増加で支流の水が流れ込めずに氾濫した箇所もあった。下水の逆流による氾濫もあった。ダムの緊急放流が遠因となった氾濫もあった。鉄道、国道や県道などの流失や土砂崩れで輸送が不可能となり、通学通勤が困難となった地区や、完全に孤立した集落も多い。飲み水、食料、医療に苦しむ各地の人々。亡くなられた方々の冥福を祈り、被災者の方々にお見舞いを申し上げたい。

       

 不思議なのは山梨県。ここでは堤防の決壊も氾濫もなかった。地形的には周囲を高い山々に囲まれた盆地だらけの県。本来ならば洪水が起きても当然なのだ。考えられるのはかつての領主である武田信玄公の存在。彼は水害を防ぐため川幅を広め、かつ堤防を強化した。重たい神輿を担いで堤防の上を歩かせたと言う「信玄堤」も、流木による堤防破壊防止装置「聖牛」(下)も健在と言うから驚くほかない。

           
           <笛吹川(富士川の上流)に設置されている「聖牛」>

  

 日本は島国であったがゆえに四季の移ろいや豊かな自然が残った。そして独特の文化と歴史が維持された。だが近年の自然環境の変化の大きさには戸惑うばかりだ。高齢化と少子化が問題となって久しいのに、大きな災害まで加わったらこの先どうなるのだろう。美しい日本と子孫を守るためにも、予算をやりくりして災害に強い国づくりをしてほしいと願わずにはいられない。





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Last updated  2019.10.19 10:09:49
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