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マックス爺のエッセイ風日記

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2020.05.02
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カテゴリ:俳句
コロナ騒動渦中の句

  

    柿若葉身過ぎ世過ぎの是非もなく

 柿若葉は夏の季語。「身過ぎ世過ぎ」は生活とか生業(なりわい)、日々の暮らしの意味。

 わが家の裏庭に通じる狭い通路に、柿の木が植えられている。もちろん植えたのは私。日当たりが悪いせいか、それとも土の成分が悪いのか、2年連続で若木のうちに枯れ、これは3代目で植えてから3年目。植えた年に実が1個だけ生り、昨年は2個生っていずれも干し柿にした。今年はどうかと心配したが、無事に冬を越して若葉が出始めた。だが、枯れたような枝が何本もある。まあ部分的にでも生きていたら、そのうち勢いを取り戻すのではないか。ぜひそうあって欲しいと私は願っているのだが。

  

     菫草世は疫病に慄きて

 菫草(すみれぐさ)が春の季語。紫色のタチツボスミレは花期が終わったが、この白花のスミレは幾つかの群落を作って、まだ元気に咲いている。慄きは「おののき」と読む。怖がってうろたえる意味。世は新型コロナウイルス感染症に怖れ慄き、世界でも相当の死者を出した。だが自然界のスミレはまるで無関係であるかのように、これまで同様静かに咲いている。

  

     日は落ちて通草の花の翳りけり

 通草(あけび=木通とも書く)の花が春の季語。春の日も夕方が近づき、生垣で咲いているアケビの花も翳(かげ)って来た。ただそれだけの句。このアケビはご近所さんの庭に植えられていて、ちょうど今ごろは地味な花を咲かせている。この隣にはキウイの樹があって白い花を咲かせ、秋には棚全体にキウイの実が鈴生りになる。それは壮観な眺めで、収穫時には羨ましいとも思う。

  

     花蘇芳しんと静もる路地の庭

 花蘇芳(ハナズオウ)が春の季語。静もるは静まると同義で、明治時代の造語。このハナズオウはわが家の西側の通路にあり、ちょうど今頃に白い花を咲かせる。だがこの木を植えた覚えはなく、元々は裏庭の東側で突然芽を吹き、あれよあれよという間に背が伸びた。1mほどになった時に掘り上げて現在地に移植した。恐らくは鳥の糞に混じっていた種が発芽したのだろうが、私にとっては嬉しいプレゼントだ。

  

     梅の実の触れなば落ちむ風情かな

 梅の実が夏の季語。わが家の庭の豊後梅が散って、今その後に小さな梅の実が見えている。これはズームしたため大きく見えるが、実物はとても小さくてまだ弱弱しい。恐らく触れればポロっと落ちてしまうほど頼りない存在だ。それが梅雨の頃にはとても大きくて見事な青梅に変身する。それを2年前に

 青梅の玉にも優る命かな と詠んで俳句教室に出したら、講師が「玉」(ぎょく)は大げさだろうと言う。「ぎょく」は中国の歴代皇帝が愛した宝石で、中国人にとっては権威の象徴として貴ぶ。私は青梅の見事な翡翠色に生命力を感じてそう詠んだのだが、感性の違いは如何ともし難い。その1年後台湾旅行ではたくさんの玉に接したが、青梅の生命力と美しさに対する思いは今も変わらない。

    

     夕風に身じろぎもせずトマトの葉

 トマトが夏の季語。植えたばかりのトマトの苗に、小さな支柱を施した。まだ弱弱しく、強い風でもふけば葉が折れたり、幹がこすれて傷んだりするのを助けるためだ。「身じろぎもせず」と詠んだが、別な表現も出来るだろう。俳句とは何か。色んな考え方があるだろうが、私は「十七音で表現する小さな自然」と言いたい。都会で自然に接するのはなかなか難しいが、案外身近にあるのだが気づかないだけかも知れない。

  

 庭の花を撮影中に、ピンク色の花を見つけた。近づくとツリガネスイセン。紫色の群落は幾つもあるのだが、ピンク色のを観たのはこれが初めて。こんな狭い庭でもそんなことが起きるのだから面白い。コロナ禍で心が沈みがちな毎日だが、たまには意識を俳句にも向けないとね。でも折角詠んだ句をなかなか清書しないのが私の欠点。ブログに載せて、それでもう清書したような気になっているのだ。しょんぼり

 ノートえんぴつ 昨日書いた連絡先は「ここへ」と言うのは、「昨日の日記に」と言う意味だったのですが、気づかなかった方のためにもう一度だけ eメールわたしのメールアドレス





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Last updated  2020.05.02 20:03:21
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