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マックス爺のエッセイ風日記

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2020.10.03
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カテゴリ:歴史全般
~「コウラン伝」を観て(2)~

  

 タイトルは「コウラン伝」なので、確かにコウランと言う女性を中心にドラマは進展するのだろうが、私の興味は奴隷となった彼女を買った邯鄲の商人呂不韋(りょふい)の今後の行動。それにしても古代中国の小国家「趙」の貴族や王侯の暮らしぶりからスタートしたこの話は、韓国の「時代ドラマ」とはちょっと様相が異なる。韓国のは到底「歴史ドラマ」とは言えない。なぜなら全くの創作だからだ。

    

 写真左は宮城谷昌光著の「奇貨居くべし」。上下2冊だったか。私はこれを読んだ。右はそれを漫画化した作品で、今はこんなのが出てることに驚いた。小説でも胸がワクワクするほど面白いのだから、若い人が漫画に惹かれる気持ちが分からないでもない。それにこの呂不韋。ヒロインのコウランに負けぬほど春秋に富んだ人生を送るのだ。まさに一世一代の出世話。しかもその内容が奇想天外だ。

     

 左は秦の始皇帝。中国で初めての統一国家「秦」を興した男。だが世の中の評判はすこぶる悪い。残虐な暴君として有名だ。例えば「焚書坑儒」。(ふんしゅこうじゅ)。医学、農学、占術などの一般書を除く書籍を悉く燃やし、自分を説教した儒者を穴に埋めて皆殺しにしたとされる。だがそれは中国の歴史家司馬遷が「史記」(右)に記したことで、後世の人がそれをそのまま信じたのが原因と言われる。

  

       始皇帝の陵墓(左)と地下の「兵馬俑」(右)

 始皇帝の陵墓は多くの国民や兵士を使役して造らせたとされるが、実際に造営工事に当たったのは他国の捕虜だけで約70万人のようだ。また兵士として駆り出された秦の国民は、20歳から50歳までの男子で、しかも徴兵期間は4年間のみだった。さらに始皇帝は1人の部下も殺してない由。中国の正史は前王朝を倒した次の王朝が書くのが通例のため、自分に有利な記述を王が歴史家に求めたのだ。

          

 中国の歴史は古い。目下考古学的に存在が確認されているのが夏(か)。次が殷(いん)で、最近では商(しょう)とも呼ばれている。次が西周で春秋戦国時代と続き、全国を最初に統一した国家が「秦」なのだが「コウラン伝」はスタートしたばかりでそこに至るにはまだまだ遠い。さて、コウランと呂不韋の運命がどう転び、秦がどう変遷するか、引き続きドラマを楽しむ予定だが、この話は一旦筆を擱(お)く。<続く>





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Last updated  2020.10.03 00:35:33
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