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マックス爺のエッセイ風日記

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2020.10.26
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カテゴリ:生活雑記
<忙しい日 その1>

  

 その日は朝から気合が入っていた。先ずは大掃除。特に居間は丁寧に掃除機をかけた。それが終わると外へ。植木鉢の外側の汚れを落とし、必要な数の「受け皿」も全部洗った。ゴムの木、ハイビスカス、シコンノボタン、クンシラン、シンビジウム、シャコバサボテン、ミニトマトなど15鉢。中には相当重たいものがあって結構手こずった。

            

 大掃除は植木鉢を居間に取り込むため。一旦置いたら、なかなか掃除がし難くなる。なぜ取り込んだかと言うのは、翌朝の最低気温が10度を下回ると天気予報で聞いたから。観葉植物の多くは寒さに弱く、枯れることもあるので用心したのだ。わが家の居間は日当たりが良く、温室状態。フローリングのため荷重がかかっても平気だが、これでも今年何鉢かは処分した。

  

 それが終わるとランパン、ランシャツ姿に。その日は「俳句教室」がある日。最近は体調が良くなかった。多分運動不足で心肺機能が低下したのだろう。そう判断して俳句教室の会場まで走って行くことにしたのだ。自分としてはかなりの冒険。それでも行けると判断したのは40年間のランニングの経験上。リュックを背負い、ペットボトル片手にゆっくりと出す。風が気持ち良い。

             

 国道の信号で誰かが私に声をかけた。Eさんだった。どこに行くのと聞くので、「老人センターの俳句教室へ」と答えると彼女が笑った。きっと「老人センター」に反応したのだろう。まだ60代の彼女には無関係の施設と。笑わば笑え。私は国道を渡って横道へ入った。下り坂ではより慎重に。膝への負担が増えるためだ。でも大丈夫。地下鉄への大通りを一路東に向かう。

  

 何年か前彼女に言われた。「お嫁さん探してるんだって、気持ち悪い」。それもある行事で行った電車の中。私が離婚してることは知っていたろうが、心のうちまでは知らないだろう。人生の晩年の一人暮らしは淋しい。心許せる伴侶を求めて何が悪い。それに彼女の夫は私と同じ高校の同学年。それに彼女は後妻なのだ。それなのにあんな言葉を発するとは無邪気なのだろう。そのうち歳を取ったら分かるさ。

            アケビ  

 センターに着くと女の職員が私に聞く。「お風呂ですか」。この格好でまさか風呂に入りには来ないだろう。「俳句教室ですよ」と言うとビックリ。「寒くないですか」とセンター長。走ってると全然寒くないんです」と私。アルコール消毒、体温の検査、そして必要事項を記入して教室のある2階へ。奥のベンチで着替えを終え、リュックを開けてパンを食べようとしたが、入れたはずのパンがない。

  

 久しぶりの俳句教室。先月は講師の入院で休止だった。3か月ぶりのSさんは病気だった由。親友のK氏は17日間入院していた由。まだ元気が出ない感じ。そして講師が友人の文芸評論家を一番前の席に座らせた。講師の机にはS萩さんが持参した退院祝いの花束。講師が自分の病気を15分も話すのを暗い気持ちで聞いていた。そして教室が始まって20分も過ぎた頃、1人の仲間が遅れて教室へやって来た。

          

 皆が次々と兼題(宿題)の句を披露するのに、遅れた彼女はホワイトボードに板書。今日が俳句教室だと気づいて、句は車を運転しながら作ったと言う。その句の酷さ。私と同期入会で3年目。何を学びにここに来たのか理解不能。「どんな作品でも直してくれるのが先生の勤め」が彼女の主張。「下手な人がいてちょうど良い」とも。出だしからすっかり気分を害し、その日は大人しく座っていた。<続く>





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Last updated  2020.10.26 00:00:09
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