テーマ:★人生論★(325)
カテゴリ:人生論
~生物としての人間と社会性~
何度か使ったこの図だが、今日もまた使わせてもらったぞ。サルの仲間だったころから、徐々に人間らしくなって行く様子がとても良く分かるね。サルだったころは四足歩行で、背中が曲がっているね。それがだんだん腰が伸び、着物を身に着け、道具を発明し二本の足でしっかり歩くようになる。背が伸びてより遠くまで見えるようになり、頭が大きくなる。つまり頭蓋骨内の脳が巨大化して行くんだねえ。 ミロのヴィーナス サルだった頃のメスには「繁殖期」があった。そして「四足歩行」だと当然外性器は露わになる。それでオスを惹き付けた。もちろん繁殖のためだ。それが二足歩行になり、背骨が真っ直ぐして脳が大きくなったヒトに「繁殖期」はなくなった。だが種の保存のためにオスを惹き付ける必要があるが、露わにならない外性器に代わって、乳房が大きく目立つようになった。 骨盤の男女差 四足歩行となったヒトが変化したのは脊椎や脳だけではない。骨盤も大きく変化する。四足歩行の動物は安産。馬や鹿の子などは生まれたと同時に立って歩ける。ところが人間の胎児は弱く、長期間子宮内に留まり成長を続ける。骨盤の形状に男女差が現われるのは思春期以降。男性は変わらないが、女性は出産に備えて開き横長となる。産道が広がることへの対応だ。男性は竪型の空洞のまま。 乳幼児の頭蓋骨 さらに、胎児の頭が産道を潜りやすくするため、胎児の頭蓋骨には隙間があり、産道の出口では頭の形を変形させて出産する。生まれたばかりの乳幼児の頭は「ペコペコ」して柔らかいが、やがて次第に隙間が埋まる。ヒトの出産は大ごとで、縄文人の平均寿命が短い原因は、出産で母子の生命が失われることが多かったため。二足歩行でヒトとなったばかりに、女性の負担が格段に増大した訳だ。 ロダン「接吻」 繁殖期がなくなると危険も増える。そこで衣類をまとい、住居をしつらえ、用心のために「火」を焚く。やがて石器や土器を発明し、食べ物を煮炊きすることを覚える。栄養を摂ることで体格が向上し、生命が延び、頭脳が発達する。そして互いに意志や情報を伝達する手段を発見する。 <ボッティチェリ 「春」> 動物のオスが複数のメスと交尾するのは、自らの子孫を残そうとする本能と、さる脳科学者は言う。人間の男の浮気も動物であったころの名残と言うのだが、さていかがなものか。現代における「性」や結婚は変容し、家族の概念も国や時代や宗教によって異なるようにも思う。次回はそんなことを考えてみたい。ただし、焦らずにぼちぼちとね。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[人生論] カテゴリの最新記事
|
|