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カテゴリ:俳句
<尾崎放哉(おざきほうさい)の巻>
尾崎放哉(おざき ほうさい 1885-1926)鳥取県鳥取市出身で本名は尾崎秀雄。旧制一高俳句会当時「層雲」の荻原井泉水に師事し、自由律俳句に目覚める。東京帝大経済学部を卒業後東洋生命保険(現在の朝日生命保険)に入社。大阪支店次長を務めるも辞職して「無所有」を信条とする一灯園(香川県小豆島)に住まい、俳句三昧の生活を送る。一灯園隣の廃寺で極貧の中で病死。享年41歳。 よき人の机によりて昼ねかな 咳をしても一人 *せき すき腹を鳴いて蚊が出るあくび哉 *かな 今日一日の終りの鐘をききつつ歩く 子供等さけび居り夕日に押合へる家 *おしあえ 渚白い足出し *なぎさ 墓の裏に廻る 貧乏して植木鉢並べて居る 雨の中泥手を洗ふ 一つの湯呑を置いてむせてゐる *ゆのみ 入れものがない両手で受ける こんな大きな石塔の下で死んでゐる 淋しい寝る本がない 底が抜けた柄杓で水を飲まうとした *ひしゃく 冬川にごみを流してもどる 犬よちぎれるほど尾をふってくれる 犬をかかへたわが肌には毛が無い 朝早い道の犬ころ 迷って来たまんまの犬で居る 山茶花やいぬころ死んで庭淋し すさまじく蚊がなく夜の痩せたからだが一つ *やせ 絵は3点とも山下清(上1922-1971 放浪の画家でペン画やちぎり絵細工が得意)の作品です。彼の半生は芦田雁之助主演の「裸の大将」のタイトルで映画にもなりました。<完> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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