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マックス爺のエッセイ風日記

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2021.11.17
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~あるテレビ番組を観て~

 

 庭の山茶花が咲いたのを居間から見つけ、写真を撮りに外へ出た。パソコンに写真を取り込む作業中に、手の痒さを感じた。注意して右手を見ると、黒くて小さな虫が止まっていた。私はすかさず左手で叩いた。やはり血を吸っていた。これは多分九州で言う「スケベ虫」。大きさは4mmほどで、衣類を潜って胸元に飛び込むことからそんな名がついたようだ。仙台にはこんな蚊はいなかった。それが11月中旬でも蚊が出る。やはり地球温暖化の影響が大きそうだ。

                    

 福原愛さんが青森大学の非常勤准教授に就任したことはブログに書いた。その後彼女はプロ卓球Tリーグ男子の「琉球アスティーダ」の社外取締役に就任した由。愛ちゃんは常々日本卓球界のために貢献する気持ちが強かったそうだが、その希望が今回叶った。チームでは広くアジアでも通用する選手の強化を考えてのことで、中国のリーグに属した経験のある彼女は適役だったのだろう。

   首里城守礼門

 それにしてもなぜ「アスティーダ」と名付けたのか。3年間沖縄に勤務した私は直ぐにピンと来た。アスは明日だろうが、「ティーダ」は琉球語で太陽の意味。琉球王朝時代の沖縄で太陽は神そのものの存在。「ティーダ」または「てだこ」と呼ばれる太陽信仰が王朝内でも庶民の間でも浸透していた。

                  

 なぜこんなことを書き始めたかだが、先日NHKの「祈りの首里城・デジタルで蘇る姿」と言う番組を観てのことだ。私は3年間の沖縄勤務のほかにも20回以上沖縄を訪れ、いろんなものを見聞している。だから守礼門と旧い歓会門しかない時代の首里城も知ってるし、復元された美しい首里城も観たし、焼け落ちた後の首里城本殿跡地も観た。そこでタイトルの「祈りの首里城」が引っかかったのだ。

  

 これは現存する最古の首里城の写真。もちろん戦前の撮影でモノクロ。明治時代の「琉球処分」で琉球王国は「琉球藩」となり、さらに遅れて「沖縄県」となった。最後の琉球王は東京に移され、王の居城だった首里城は「神社」として残った。その建物も第二次世界大戦の沖縄戦で焼けた。首里城がある山の地下塹壕に日本軍の司令部があり、米軍によって徹底的に破壊されたのだ。

             

 首里城は合計で5回焼失してるそうだ。だが「世界文化遺産」としての首里城は無事。その理由は文化遺産として指定されているのは、地上の建物ではなく地下の遺構であるため。この焼けた瓦の下に遺構は埋まっていて無事。因みに世界文化遺産に指定されたのは、北から今帰仁(なきじん)城、座喜味城、勝連城、中城、首里城、第二琉球王朝の陵墓である玉陵(たまうどん)、王朝時代の時代の別荘である識名園、そして沖縄最大の聖地斎場御嶽(せいふぁうたき)の8か所だったはず。私は全て訪れ、識名園以外は複数回訪れている。

    古い時代の首里城歓会門

 因みに沖縄では城を「ぐすく」と呼ぶ。沖縄の民族学者で琉球大学の教授だった仲松弥秋氏の著書に拠れば「ぐすく」は奄美諸島から沖縄の八重山地方にまで広範囲にあり、墓、聖地、集落、砦などの性格を有し、またそれらの複合の場合も多かったようだ。そしてその「ぐすく」には必ずと言って良いほど御嶽(うたき)があるのが普通。だから城は祈りの場でもあったのだ。もちろん平和と安泰を祈っての。だが私が見た20以上のグスクで御嶽を持つのはそう多くはなかった。多分戦火で焼失したと思われる。それだけ沖縄本島は激戦地だったのだ。ただ今帰仁城と中城、浦添城には明確に御嶽と思われる場所が残っていた。

     園比屋武御嶽  

 首里城で誰にでも分かる御嶽が園比屋武(そのびやん・うたき)。ここは琉球王朝時代外国に旅立つ時などに旅の安全を祈願した場所。徳川将軍の代替わりや琉球王の交代時には江戸上り(えどぬぶい)と称す使節を送るのが通例だった。その時は琉球衣装を着ていたそうだ。当時旅は命がけ。王朝の最盛期には中国への朝貢はもとより、朝鮮や東南アジアまで貿易船で出かけた。御嶽の前には必ず香炉が置かれ、線香を上げた。沖縄の線香(うこう)は1本1本ではなくまとまって引っ付いている。色は緑ではなく黒。そして今では火事にならぬよう、火は点けないで置くだけ。面白くない専門的な話がましばらく続く予定だ。<続く>





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Last updated  2021.11.17 00:00:10
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