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マックス爺のエッセイ風日記

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2021.11.28
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~沖縄の聖地を巡る~

  

 沖縄の聖地については、このシリーズでも何度か書いた。ここは沖縄本島南部にある南城市の「佐敷ようどれ」。自衛隊の基地内にあるため、私は観たことはない。一見家のように見えるがこれは風葬墓。「ゆうどれ」は夕方の意味で、薄暗い「あの世」を連想させる。この地には琉球王国が成立する前の豪族が住み、墓はその時代のものとされている。現在は麓に「月代宮」と言う神社が建っている。何度も書いているが、沖縄の城(ぐすく)は墓、聖地、城や砦、古い住居址、そしてそれらの複合体で、内地の城とは全く概念が異なる。だから墓や神社があるのは当然なのだ。

               

 これは同じ南城市の知念城。知念半島の先端部にあり、沖縄最大の聖地である斎場御嶽(せいふぁうたき)にも近い。美しい城壁が比較的に良く残っている方だろう。古い城と新しい城の二重構造で、城壁の門が崩れかかり、木材で支えているのが見える。私が沖縄に勤務した30年前は補強されてなかった。背後の山も多分聖地で、御嶽か拝所(うがんじゅ)があるはず。城内にも拝所が複数あったと記憶している。

   

 これは旧玉城村(たまぐすくそん=現南城市)にある仲井眞城(なかいまぐすく)城と言っても実際は風葬募でこれは第一琉球王朝第6代尚泰久王の墓。場所が分からなかったため、近くの村役場に聞きに行ったら警戒された。顔を見て内地人だと分かったのだ。警戒した理由は外国人が墓を掘rり、古い武具を発見したため。勝連城主の阿麻和利に嫁いだ王女百十踏揚(ももとふみあがり)の墓も付近にある。

         

 これは同地に近い場所にある玉城(たまぐすく)で、石段も城壁も自然の石灰岩で、世界文化遺産指定の美しい城とは異なり、原始的な城の形を残している。城内には幾つかの拝所があり、うこー(沖縄式の燃えない線香)が供えられていた。どうやら外国人が勝手に発掘したと言うのはこの城の麓の洞穴らしく、私はその時発掘された武具を、昨年行った沖縄県立博物館で偶然見ることが出来た。

  

 写真撮影禁止だったが、印象としてはこんな日本の野武士がつけたような簡便な鎧(よろい)。直感的にこれは日本の倭寇じゃないかと思った。琉球王朝の武士(さむれー)は武具を持たない。統一王朝誕生後、武具は不要になったためだ。なぜ外国人がこの城の麓を掘ったのかは不明だが、歴史に興味を持っていたのだろう。だが藪の中はハブの棲みかでもあり、とても危険だ。この絵は後に再び登場する予定。

         首里城と尚円王

 浦添にあった第一琉球王朝の王都は、やがて現在地の那覇市首里に移る。第一琉球王朝の最後は内乱などがあって衰退した。そこに現れたのが伊是名島出身の百姓金丸。彼は島から追い出されるような形で都へやって来た。役人に取り入って城に出入りし、最後は大臣に上り詰めた。やがて周囲から推される形で幼い王子を排除し、自ら第二琉球王朝の王尚円と名乗った。進貢していた中国にはばれないように。

    首里城歓会門

 なぜ一農民の金丸が琉球の王になれたのか。実態はクーデターとの説がある。金丸が伊是名島を追われた理由も不明。私は伊是名島へも行ったことがあるが、実に神聖な気配に満ちた美しい島だった。伊是名城がある山へは金網がしてあって登れなかったが、神秘に溢れていた雰囲気が印象に残っている。尚円は実の姉を島の祝女(のろ)の最高位伊是名ノロに就けたと言う。

   玉陵(たまうどん)  

 これは第二琉球王朝の陵墓である玉陵。うどんは本来「御殿」で生きている人の御殿の場合もあるが、貴人の墓にも用いられる名称。とても巨大で立派な風葬募で、世界文化遺産の一つ。私は尚円王となった金丸の先祖は九州南部の「倭寇」出身だったのではないかと推定している。それなら文武に秀でていたの当然で、名前の金丸も大和名(日本式の名前)にぴったり。沖縄には倭寇伝説が多く残り、史実に近いと思われる。

    識名園

 これは琉球王朝の別荘で、琉球式の広い庭園を持つ識名園。世界文化遺産の一つ。中国から来た柵封使をここで歓待した。この場所は直接東シナ海が見えないほぼ唯一の地で、琉球は広いと誤解させたのだ。そのため中国では沖縄を「大琉球」、台湾を「小琉球」と呼んだ。当時の台湾は蛮族しか住まない未開の地で、日清戦争の賠償として割譲したのには、蛮族が台湾に漂着した多数の沖縄人を殺害したこともある。





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Last updated  2021.11.28 07:18:29
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