100円の貯金
愛犬との散歩も済ませたし、球場へ行く準備も出来た。だが、どうも気が進まない。頭が痛むし、いざ出かけようとして外へ出ると強い雨が降る。そんなことを2、3度繰り返していた。金曜日には1週間分の疲れが出る。まして妻が四国に旅行に行き、1人暮らしの2日目。疲れの頭痛なら仕方がないが、まさか新型インフルエンザに感染した訳ではないだろうなあ。 そのうちに頭痛が治まって来た。よし、行こう。雨の中を自転車で30分走ればずぶ濡れになるのは目に見えている。止んでいる今のうちに急ごう。途中水溜りや走っている車に水をかけられないよう注意。Kスタに着いて先ずピンバッジの交換。そしてレフト側自由席へ。座席の雨水をタオルで拭き、ようやく着席。今夜の国歌斉唱は何と尺八の伴奏。そしてソリストはとても響く良い声の老年男性だった。 この後自分が作った鮭入りのお握り2個を急いで食べる。試合開始直後の1回表、田中が1番バッターの坂口に3塁打の先制パンチ。あらら、今日も立ち上がりは良くない。2番大引の1塁ゴロをセギノールがエラーし、早速失点。併殺の後もローズが2塁打。それでもフェルナンデスをピッチャーゴロに仕留め3アウト。 その裏楽天の攻撃。2塁打で出たリンデンを頼れる4番バッター山崎がセンター前タイムリーで返し、たちまち同点に追い着く。2回にも1点追加し逆転。そして3回裏には山崎が一番深い位置に2ランホームラン。さすがは5連勝中だけあって強さを感じる。それにオリックスには今季10勝2敗と相性が良いのだ。 だが2回以降ノーヒットに抑えていた田中が、6回に坂口にホームランを打たれて1失点。7回にもレフト前ヒットを足場に1失点。ついに1点差に迫られた。そして8回表、2人のランナーをいずれも4ボールで出したところで有銘にピッチャー交代。どうやらあれが限界だったようだ。1ポイントで川岸につなぐ。8回裏楽天は2本のヒットなどで1点追加。そして9回は福盛が何とか0点に抑え5対3で勝利。 田中が4ボールを連発した場面では近くの座席の野球に詳しいファンが、8回の頭から交代させるべきと強調していたが、その通りだった。試合後、田中は野村監督に何か言われていた。どうやらお小言を食らったらしい。インタビューでも勇ましい言葉はなく、反省しきりのマー君だった。魔の8回で苦しみながらもこれで11勝目。彼にとってはあくまでも通過点に過ぎないだろう。 それにしても立派なのが山崎。この日も2安打3打点の活躍、まもなく41歳になる選手とは思えない。かつて南海ホークスにいた門田の41歳時のホームラン記録32本(?)を抜きたいのだとか。現在28本だから夢ではないだろう。6連勝の楽天はこれでようやく貯金が出来た。だが取材した記者に野村監督が言ったのは、「100円の貯金じゃ利子もつかないよ」だったとか。然り名言だ。