決断
寒い一日だった。10時ごろはまだ0度台。その後少しお日様が出て気温が上がったが、それでも4度か5度くらいだと思う。妻に頼まれて午後3時ごろに洗濯物を取り込んだが、ほとんど乾いていない状態だった。明日から最低気温が零下になる日が続く。そろそろ畑の大根を引き抜いて、土に埋める時かも知れない。寒さが続くと凍ってしまい、やがて腐ってしまうからだ。 さて、ニューヨークヤンキースのゴジラ松井が、ロサンゼルスエンゼルスに移籍するようだ。もちろん球団の厳密な健康診断に合格した上での話だが。それにしてもワールドシリーズで優勝し、MVPに選ばれた選手を放出するなんてメジャーならではで、とても信じられない。 ヤンキースはゴジラ松井をDH要員としてしか見ておらず、それも必ずしもDH要員の第1位と考えていた訳ではないようだ。選手全体の年俸を引き下げようとする意図があったことも、松井の優先順位を下げた要因みたいだ。ニューヨークの各紙は松井の退団を惜しむ記事を掲載したようだが、FA宣言後の論評が冷ややかだったことに驚いたものだ。 ともあれ松井が勇気ある決断を下したことは間違いない。守備に就かないDHとしてではなく、本来の外野手として必要とされる球団を選んだ。移籍後の年俸はこれまでの約半分の5億7500万円で、しかも1年契約と言う内容の厳しさにも驚かされる。そこまでして松井は守備機会に拘った。 35歳で膝に古傷を抱える松井にとっては、寒いニューヨークより暖かいロサンゼルスの方が良いのは間違いない。今回の移籍について、松井本人はまだ一言も発言していないみたいだ。まるで野武士のような松井だが、新天地で大いに活躍することを祈っている。 そして同じアメリカンリーグの西地区に所属するイチローのシアトルマリナーズとの対戦も楽しみだ。きっと日本人の関心が、ヤンキースから離れることになるのは必然。その影響の大きさにヤンキースが気づいても後の祭りと言うものだ。 話は変わって、鳩山内閣が普天間基地の移転問題についての結論を出すのを先送りすることにしたようだ。軍用ヘリコプターが付近の大学に墜落したことから生じた移転問題。日米政府が出した結論は辺野古岬にあるキャンプシュワブへの移転と、一部海上を埋め立てた滑走路の新設だった。だがその案がまとまってから13年間も放置されている間に、政権が交代した。 民主党のマニフェストの他にも閣僚から色んな意見が出され、さらに与党となった社民党や国民新党からも強い圧力がかかったこの問題。アメリカのオバマ政権からは、これまでに合意した原案に基づいて早期実施を求められている。国外や県外への移転は沖縄県民の強い希望でもあるが、そう簡単に解決する問題とも思えない。 来年春に実施される名護市長選の結果を待つとの意見が鳩山総理の口から漏れたこともあった。国土防衛と言う国家の最重要事項が、一地方都市の選挙結果に左右されるのはおかしいと私も思う。たとえ政権が交代しても、国と国が約束したことを実行しないのは信義に反するとも。 だが、総理はそうは考えないようだ。あくまでも白紙の状態で移転問題を考えようとしているように見える。果たしてそれで解決出来るかは分からない。また、いつまでに結論が出されるのかも不明だ。ただ、移転のための経費は来年度予算の中に組み込んであるとのこと。これでは何が何だか分からない。まるで「玉虫色」のようで、すっきりしない。 橋下大阪府知事の先日の発言にも驚いた。関西空港はじめ大阪湾岸にある3つの空港の機能を見直しし、場合によっては沖縄の基地の移転先として検討することも吝かではないとの内容。米軍基地を県内から少しでもなくしたいという沖縄県民の気持は分かっても、それを実際に自分のところで引き受けると表明する県は、まず無いのが普通。 橋下知事の勇気ある発言だが、もしそれを実行しようとすれば強烈な反対運動に発展するのは必定。鳩山総理の理想とする「友愛」が、果たして理念倒れとなるのか、それとも大逆転で全く新しい展望が開けるのか。一見決断を先送りにしたかに見える総理の決断が、今後どうなるのか関心を持って見守りたいと思う。