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衆議院で、「脳死は死」「臓器提供を０歳から認める」が可決されたという。

短期間とはいえ、脳死に至った家族を二人看取ったけれど、
あの時、あの状態の母を、姑を、
「もう亡くなっています」
と言われ、人工呼吸器をはずされたとして・・・

それを受け入れることはできなかった、と思う。

母の場合、脳死後にむくみなど
「こういう状態になってから回復された患者さんは、いません」
と医師に言われる体の変化が現れてしまったけれど、
私も父も、心臓が止まるまでこのまま母を寝かせておいてほしいと
思った。

姑も、医師から
「脳の損傷からみて、回復することはまずないでしょう」
「(本来なら子どもは入室できない)集中治療室にも、お孫さんは
入っていいです」
と言われて、覚悟しなければならないと思ったけれど、
だからといって、あの時、心臓は動いていても自発呼吸がないからと
人工呼吸器をはずされたとしたら・・・

どちらもたぶん、
「母(姑）が死んだ」
ではなく、
「人工呼吸器をはずされて、殺された」
としか思えないだろう。

そして、人工呼吸器をはずすことに了承を求められ、従ったとしたら、
「私たちが殺したのではないだろうか？」
と、ずっと後悔し続けたと思う。

後悔し続ける・・・といえば、母は死後、担当医(大学病院助教授？)に
「非常に珍しいケースなので、今後の医療のためにぜひ献体に
ご協力いただきたい」
「全身がダメなら、頭部(クモ膜下出血だったので)だけでも解剖させて欲しい」
と言われ、父が
「妻の死が無駄にならないなら・・・後頭部だけの傷で済むなら」
と了解したのだけれど・・・

未だに私は後悔してる。

死んじゃった後だから、母は痛みは感じなかった・・・だろう。

けれど、その傷跡は、今もまだ目の前にあるような気がする。

母に、
「お父さんに、お医者さんに『イヤだ！』って言わなくて
ごめんなさい。ごめんなさい」
と泣いて謝り続けている。

これが、臓器だったとしたら？

母は亡くなったけど、その臓器で誰かが助かるかもしれないから
遺体から１部の臓器を取り出させてください。
それで生きられる人がいるから。
その人の中でお母さんの一部が行き続けられるのは、いいことでしょう？

その判断を、肉親の死でショックを受けている遺族がして、
了承したとして・・・その後の遺族の気持ちやフォローは？？？

まわりの人からの言葉で傷つく遺族を守ってくれるものは？

まわりから心無い言葉を出させなくする方法は？？？

生きる方法があるのなら、それを望む気持ちもわかります。
私がその患者の肉親だったら、
「脳死を受け入れて、かつ、臓器を提供してくれる人がいたら」
と願わずにはいられないと思う。

でも、自分や家族が提供対象となったら・・・

私のような思いを、娘や妹弟に背負わせたくない。

亡くなっただけでも辛いのに、その遺体にメスを入れられるのは
もっと辛い。

どちらもわかる。だけど、どちらも受け入れられない。

賛成した議員たちは、こんな風には考えたりしないんだろう、なぁ・・・