疑惑の頭部死球、危険球退場。再び。
神宮名物の雨と、バレンティンの60号、宮本の笑顔と、愛娘の涙で彩られたヤクルト宮本慎也の引退試合。しかし、そこへ水を差した?事件は、テレビは勿論、Yahoo!ニュースでも全くと言っていいほど触れられていない。延長11回表、YS山本哲が投じたT清水への疑惑の頭部死球、危険球退場。打者が捕手・バントの構えという共通点から、昨年の日本シリーズ第5戦のG加藤を思い出した人も多いでしょう。でも、今日の一件で分かるように全ては不可抗力なんです。比較対照にしてはいけませんが、痴漢犯罪などと同じように、被害者の証言が優先されますから、名演技と言われてしまえばそれまでですし、事実、誤審である事には間違いありません。ただ、打者は頭の近くに来たら倒れこんだ時の衝撃で当たったと勘違いする可能性があるし、審判もゾーンから大きく外れたボールを判断する事は非常に難しい。しかし、今日の球審の西本は3日のDeNA×阪神戦でもT西岡がレフトへ放った打球をDB松本がスライディングでダイレクトキャッチしたのを、ワンバウンドと誤審してましたので、西本に限らず、NPBの審判のレベルを問う声が上がるのは仕方ありません。で、こうなるとお決まりは、ビデオ判定の拡大の是非という話になります。ソロ本塁打なら1点が入るか入らないかですが、昨日のプレーは2点が入るか入らないかですから、判定の重要度はホームランより大きい訳です。本塁打のみのビデオ判定ではなく、アメリカンフットボールやテニス、最近ではバレーボールでも試験導入されているチャレンジシステムの導入は出来ないのか、議論するべき時期に来ていると思います。何もストライク・ボールでビデオ判定しろなんてバカな事を言う人はいないでしょう。それよりも落ちたか落ちてないか、当たったか当たってないか、フェアかファールか、ビデオ判定が出来るプレーで良いでしょう。その結果、判断不能の為に最初の判定どおり。というのもそれはそれでアリでしょう。ビデオで確認する事に価値があるわけですから。一方で、9月11日の巨人×DeNA戦のように、ポール際の打球がポールにかすったか、かすってないかというビデオ判定に手間取り10分以上の間が開くと言う事もあります。待たせすぎと言う意見もありましたが、ビデオ判定はファンも望んでいたわけですから、そういう判断の時間がイヤなら、ビデオ判定をやめて、誤審も野球の一つ、として我慢しなければいけないでしょう。現状ではおそらく何年経っても、今以上のビデオ判定は出来ないでしょう。そして、今以上に誤審が増える事でしょう。ただ言える事は、投げた多田野も山本哲も打者の加藤も清水も、その日の球審も、誰が悪いなんて決める事は出来ず、あの空間で不可抗力により起きてしまった「事故」であると言う事。加藤はあの一件の後、ネットで相当叩かれたと聞いている。しかし、今回は宮本の引退試合とはいえあくまでも消化試合である事と、当事者に阪神の選手が絡んでいる事から、清水が叩かれるという事は殆ど無いでしょう。ただ、「第二の加藤」と言われる事は不可避かもしれない。しかし、それはそれで加藤がまたクローズアップされてしまう皮肉。こういう事はいつでも起こりえる。清水の事を悪くいうつもりも無いから、もう今後は加藤の事を悪く言わないでくれよ。少なくとも阪神ファンは、さ。