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朝からずっと曇り空だったけど、5時過ぎて散歩に行く時には、 西の空だけ切り取ったように青空になっていて、雲はオレンジ色に染まっていた。 それを眺めながら、良い気分で散歩して、いつもの神社の鳥居のところまで来たら、 肩から掛けた小さいバッグに入れている筈のケータイが無いのに気がついた。 びっくりして、歩いて来た道を逆戻りで走った。 普段走る時は、必ずめいが速くて前なのに、何故か後ろからついてくる。 私の走りが速いのではなく、私の気持ちが勝っていたから、後ろからついてきたみたい。 とにかく何故か走った。 団地の坂を登りながら走った。 ハアハア言っても、歩くのと変わらないくらい遅いけど、走った。 「きっと、めいのウ○チを取った時にしゃがんだから、はずみでバッグから落ちたんだ。」 「見つからなかったら困るなぁ~」などと考えていたら、 横に車が止まって、 「さっきお墓の近くを散歩してませんでしたか? ケータイ落としてましたよ。」と青年が声をかけてくれた。 めいがウ○チしていた時、少し離れた場所で車に荷物を積み込んでいた人だった。 「はい、今捜してたんです。まだあるかしら?」 「そのままにしてるから、ありますよ。すぐ行って。」 「わぁ、良かった~。お兄さんありがとう。」と、また走った。 青年は、帰り道に私を見て車をUターンさせて知らせてくれたみたいだった。 何て良い人なんだろう。 ケータイは、草の上で待っていた。 『変な人に拾われなくて良かったね~。もう絶対落とさないからね。ケータイさん。』 めいは『走ってばつかりで、私の散歩はどうなるの?』って顔をしていた。 でも、必死で団地の坂を駆け上って疲れた私には、もう散歩は続行できなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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