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父の面会に行った。 去年の春に手術をしてから、家での生活が難しくなった父は、 退院後施設で生活している。 私は時々面会に行っていた。 本当は度々行くのが良いと思うけど、新幹線を使って行き、 1時間と少しくらい部屋で話したら日帰りするのは、頻繁には難しい。 それで、3か月に一度くらいになってしまうのだが、 一月末に行って「次は三月か四月の始めに行けるかな」 と思っていたところでコロナが流行して 面会禁止となり、行けなくなった。 途中、少しの期間禁止が解除されたものの、再びダメになったので、 父は「会いに来て欲しい」と言っていたらしいが、どうしようもない。 十月に入ってやっと面会禁止が解けた。 ただし、面会できるのは、ロビーで10分だけで、 事前予約が必要だったから、行こうどうしようかと悩むが、 また面会禁止になるかも知れないし、 とりあえず予約したら万が一の場合も会えるかもと思って、 都合の良い今日を予約しておいた。 バタバタと朝の用事を片付けて出発し、新幹線に乗り込んだら、 一時間後くらいに兄から電話がかかってきた。 今日行く事は伝えていたので嫌な予感がしたが、的中した。 「ホームの近所でコロナ感染者が出たので、急遽面会は禁止となりました」と連絡があったと言う。 一瞬「私はどうすればいいの!」と思ったが、 「面会希望者は、もう新幹線に乗って来ている途中なので顔だけでも見せてやってくれ」 と兄が頼んで、OKを取り付けてくれたと言う。 兄には、何回「ありがとう」を連発しても足りない気分だった。 ホームに着いたら、玄関の内側のドア越しに対面して話すように言われたが、 高齢で状況が飲み込めてないし、耳が非常に遠くなっている父はドアを開けて欲しがる。 対面することも例外なのにドアを開けて話したがる父を禁止する職員さんが横にいて、 ほとんど話しのできない、非常に緊張する10分ほどの面会となった。 でも父は、顔を見ただけでも安心したようで、 今日も「会うのはこれが最後やろう。私はもう長くはない。」と言っていた。 実は30年以上前から「私は長くはない」と言い続けている父だから、誰も相手にしないが、 90歳も半ばを過ぎると現実味があるものだ。 「コロナが終わったら、また部屋でゆっくり話そうね」と言って帰ったが、 これまでで一番気持ちが落ち込み、疲れた見舞いだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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