あーちゃん頑張るよ…

明日は、ひこの宿泊学習だ。

宿泊学習にあたり、自分で準備をさせてはみたものの…。
大変だったなぁ…。
しおりに書いてある物を用意すれば良いだけなのに、
それすらもひこには難しかったのだ。

いっつも義母にやってもらって、自分はアホ面下げてテレビなんぞ見てるからじゃ。

それでも何とかかんとか、ひこ一人で準備させる事に成功。

とは言え、義母が旅行で家を空けている隙を狙ってひこに準備させたのだが、
結局義母が自分好みに用意し直していた。

そういう事するから、継子が自分でやる気失くすんだろうに…。

以前、継子達に自分で着る服を選ぶようにさせていた時も、
義母は何かと理由をつけていつも着替え直させていた。

共依存か？

夜、就寝前のひこを、聞き忘れた事があったので呼び出した私。
私「あのさ、明日、学校にはいつも通りの時間に行けば良いの？集合時間は？」
ひこ「え？えっと、集合時間は7時45分で、7時50分から出発式が始まって、
　　　8時10分にバスに乗って…」
其処まで聞いてないって！
なんだろうな？これは？
詳しく説明したいだけなのか、聞かれた事が理解出来なかったからスケジュールを羅列しているのか…？

私「あ、そう。じゃ、朝ご飯、何時にする？6時半位？」
ひこ「え…。それは…」
朝早い時間を提示され、嫌そうな反応。
私「でもさ、いつも通りの時間に食べ始めるのじゃ、遅くない？」
ひこ「…え？」
…またいつものアホ面。ちょっとは考えなさいよ。
私「あのさ、いつもは、学校に何時に着けば良いの？」
ひこ「えっと…。8時10分位…」
私「それは家を出る時間でしょ？聞いてるのは、学校に着く時間だよ。
　　7時45分集合って言うのも、家を出る時間じゃなくて、学校に着く時間でしょ？」
ひこ「…」
駄目だ。判らないらしい。

私「じゃ、7時45分迄に学校に着く為には、何時に家を出ないといけないと思う？」
ひこ「…え…」
しばし考え、
ひこ「3分位？」
…そうだね。
途中に交差点の有る大きな道路が無ければ、そんなもので着くかもしれないね。
って言うか、細かい事だけど、学校までの所要時間じゃなくて、
家を出る時間を聞いてるんだけど。

私「信号の待ち時間、考えてないでしょ？
　　それと、走れば間に合う、じゃ無くて、歩いていっても間に合う時間だよ？
　　良く考えて。時計見ても良いから」
ひこは、手をもぞもぞさせながらフラフラと奥の部屋へ引っ込んだ。

…？廊下から部屋の中をちょっと覗けば、時計くらい見えるでしょうに？
私「今、すぐに、考えるんだよ！？」
私の不安は的中した。
「あ…。そうだった…」なんて呟きながら、ひこが戻ってくる。
ひこの脳内で、私との話は終了してしまっていたのだ。

なんて言うか…。継子と話をしていると、疲れる…。

しばしの沈黙の後、
ひこ「じゃあ、10分位かな？」
私「(なんか、じゃあ、って言葉がひっかかるなぁ)
　　そう。そうすると、家を出る時間は？」

ここでひこ、フリーズ。

1・2分止まっていたが、
ひこ「7時35分…？」

…そうだよ。って言うか、4年生なんだから、即答してよ。

私「うん。じゃ、ひこは、ご飯を食べ終わってから家を出るまで、
　　準備にどの位掛かるの？」
ひこ「…」
…それも判らないの？なんか…脱力するなぁ。
私「あのさ、ひこは、いつもご飯を食べ終わって、
　　服を着替えて上に上って来るまでに、10分位掛かってるんだよね？
　　で、8時に下へ下りて、学校に行くまでに、10分掛けてる。
　　っていう事は、ひこは、準備に20分必要な人なんだよ」
ひこ「…」
ひこはボーっと私の話を聞いている。

私「7時35分の20分前は？」

また沈黙。
ひこ「7時5分…？」
私「はぁ…？」
ひこ「あ、違った。えっと…」
勘弁してよ。ひこも、時計の計算出来ないの…？あんなに教えたのに…？

考え込むひこに、思わずきつい一言。
「あんた、これ位も判らないのに、よく時計係やるなんて図図しい事言えたね…」

だって、しおりに、ひこの係分担が時計係って書いてあったから…。
きつかったかな？

この後、ひこは色々と考え込みながら、私に導かれながら…。

「じゃあ、朝ご飯は6時40分にする…」
と、自分で答えを出す事が出来た。

でも、散々私にヒントを出してもらっての事だったから、褒めるよりも苦言しか出ない。
「ひこさ、これ位、あんた自分で考えられるようにならなきゃいけないよ…」

ひこは頷いていたが…。

ひこが時計の計算苦手なのは知っていたけれど、ここまで酷いとは…。
きぬと一緒に、勉強させた方が良いのかなぁ…？