Ｙｅｓ！Ｗｅ　Ａｒｅ！　　～Ｒｏａｄ　ｔｏ　ｔｈｅ　ｎｅｘｔ　ｓｔａｇｅ～

この曲いいね！スペシャルもついに完結です。
今回は、ＳＡＮＩＳＡＩの「向日葵～ひまわり～」をご紹介します。

ＳＡＮＩＳＡＩについては昔も書きましたとおり、京都出身の３人組コーラス・ポップ・ユニットです。

この「向日葵～ひまわり～」という曲。この曲のタイトルである向日葵について、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
たぶん多くの方が「明るい」「元気」というイメージをお持ちでしょう。そのように、この曲も明るくて元気な曲だと思われる方は多いでしょう。

しかし、違うのです。
この曲は少し悲しい曲です。
大切な人を失ってしまった、けれども向日葵のように強く生きて行かねばならない、そんな曲です。

この曲は静かなピアノイントロで始まります。そしてそのピアノの演奏に被さる和嘉子さんの静かな声。
とても静かで、落ち着く曲です。

そして、この曲はとても静かな曲と言うことで、歌詞を味わって聴いて頂きたい曲です。
この曲の歌詞は、確かに悲しいです。「あの日あなたは真っ白い骨になって　遠いところへ行ってしまったけれど」「あなたの手が次第に細く小さくなって　私は何もできずに頬を寄せて祈るの」と、人が弱っていって、亡くなってしまうことが鮮明に描かれています。

ですが、ただ悲しい歌詞というわけではないのです。「それでも朝はやってきて　今日を生きなきゃいけない」「不器用でも優しく　悲しくてもまっすぐ見つめる強さを私に下さい」など、とても悲しいけれど、前向きに強く生きていかなければならない、そんなメッセージを含んだ、前向きな歌なのです。
だからこそ、この曲は歌詞をじっくりと味わって、何度でも何度でも聞いて欲しい、そう思います。

僕はこの曲のメッセージに共感しながらも、なかなか実感することはできませんでした。
しかし、この曲の歌詞を実感したなと思うことがありました。

愛する、祖母の死です。

祖母はこの世からいなくなってしまいました。しかし、祖母が使っていた物はそのまま残っています。
家も、テレビも、布団も、カラオケセットも、氷砂糖も。
そして、祖母が大好きだった、大相撲も。

祖母の姿は確かにありません。ですが、これらの物を見るだけで、祖母を感じることができます。
だから、強く生きなければならない。祖母は心の中にいるのだから、見守ってくれるから、強く生きていかなければならない。
この曲が僕にそう言ってくれている気がします。

祖母が亡くなって３日ほど経った頃でしょうか。この曲を聴いてみました。
涙が止まらなくなりました。
今、この曲を聴いても涙が出そうになります。
実は今も、涙をこらえながら書いています。

僕はまだ向日葵になりきれていないような気がします。
いつか向日葵にならなければならないと思いながらも、向日葵のように生きていくことができていないと思います。
祖母が見守ってくれているのだから・・・強く生きなければならない。
わかってても、わかってても、できないんです。

いつか、本当に向日葵のように生きていくことができますように・・・。
そう思いながらこの曲を聴きたい物です。



この曲いいね！スペシャルは今回で終了です。読んで下さった皆さん、ありがとうございました。
今後の「この曲いいね！」では、今度アルバムを手に入れる植村花菜、ＳＡＮＩＳＡＩについて特集していく予定です。