総括
前にも書きましたが、僕は割安株投資なら基本的に何でもありですが、「株の資産は破産するまで引き出さない」が唯一のルールです。つまり、一度注ぎ込んだら二度と現金化はしません。この日記の主題「メダルゲーム」はそんな変な投資哲学の「きほんのき」です。僕は割安株コレクター。趣味にお金は惜しみません。僕の場合、株で破産した多くの人がそうであるように、感情的になったり、損を取り戻そうとしたりお金儲けをしようとして過剰なリスクを取ったり、といった事はありませんでした。また、混乱して対応不能になったり、自暴自棄に陥ったりという事もありませんでした。株価が気になって仕方がないという事もなく、勤務時間に株価を見るというような事もしませんでした。それでは、何故破産したのでしょうか?ひとつひとつ主原因を挙げていきたいと思います。第一の要因「生粋の逆張り派」僕の投資手法は基本的に買い下がり&売り上がりです。ファンダメンタルを軸とした現物取引のみの中期投資では、極めて合理的な投資手法といえます。しかし、信用取引を用いた場合、ファンダメンタルを軸とした買い下がりでは必ず最後に破産します。何故なら、長期的にはファンダメンタル指数は株価に遅れて反映される場合が必ず来るからです。ファンダメンタルを軸としない場合、損切りを早く、利食いを遅くする事で、信用取引は短期中期長期全てに応用できます。この場合は必然的に純張りの要素を取り入れる事となります。僕は、逆張り以外で長期的に利益を上げるやり方を知りませんが、資本主義が成り立つ為には必ず経済は拡大し続けなければなりませんので、長期的に純張りで利益を上げ続ける事は可能だといえます。最近特に、バリュー投資家の多くが長期投資では逆張り投資が王道だというような意見を持っているようですが、これには少なからず疑問を持っています。第二の要因「値切れない」僕は欲しい株を値切るという発想ができないのです。欲しいと思ったら必ず買います。他の株を売ってでも買います。「もう少ししたらもっと安く買えるだろう」「まだ下がりそうだから待っていよう」とは思えないのです。また、上のような考え方を持っている投資家は僕は好きになれません。第三の要因「万年強気」企業業績に大きく影響しない事は、大抵無視します。大きな流れにしか興味はありません。株価が下がれば様々な要因により間接的に企業業績は悪化しますが、株価が下がる事自体が直接株価の下落要因になりうるという事は理解できません。「明日大暴落する可能性が高い」とみんなが騒いでいたとしても、その事自体で僕が株を売る事はないです。大量の信用買い残やら大量の外資の売り越しやら、そんなものに興味はありません。明日株が上がるか来週株が上がるか来月株が上がるか来年株が上がるか、僕にとってそんな事は肝心な事ではないのです。株価は常に適正価格。それなら欲しい株を欲しいだけ買っておけば良い。以上、他にも色々な原因がある事はありますが、主な要因は上の三つです。これらは、僕が信用取引を用いなければかなり違った結果をもたらしてくれる事になったと思います。ところで、資産に全く執着がなく、金儲けにも興味がなく、ただ割安株を欲しいだけ手に入れたいという人間が、信用取引を用いないなんていう事ができるんでしょうか?僕は自分の投資手法を変えるつもりは全くありません。再び破産する事を確信しながら、同じ手法で株式投資を続けたいと思います。敢えて言いますが、今回の暴落を通じて得たものはないです。「暴落を経験した」という事と、「暴落の恐怖を知った」というのは違うのです。今の時代、リスクを恐れる必要があるんでしょうか。今回、非常に残念な事に多くの人が「逆張り投資は難しい」と思ってしまった事でしょう。「リスクとリターンは比例する」なんて事さえバリュー投資家の人たちが言い始めるかもしれません。「市場は常に適正価格」ですが「リスクとリターンは比例しない」です。ここに本質が隠されています。「株価は常に短期中期長期全ての欲望を織り込んだ適正価格」ですが「今日の適正価格は明日の適正価格とは一致しない」のです。「投資は投機の一部」であり「資本主義は矛盾の上に成り立っている」のです。以上より、株式投資は「絶対評価はできない」が「相対評価はできる」、これが僕の持論です。「バリュー投資は欺瞞であり、決して王道ではない」、誰でも気が付く簡単なロジックです。さて、破産までの流れです。・2001年10月に株式投資を開始。常に全力買い・優良株、成長株、業績急改善株に偏りがないように、20銘柄くらいに分散投資・2003年の日経底打ちを転機に、株の評価額は二次曲線を描くように急上昇・2005年2月に信用取引を始める。信用も同じく20銘柄くらいの分散投資(信用維持率50%)・2006年1月、累計株式投資金額10倍高達成直後にライブドアショック発生(信用維持率90%)・大暴落した翌日は大抵買い進み、暴騰で売り上がりを続けながら粘りつつ、5月上旬の時点で年初比株式評価額-20%(信用維持率70%)・5月中旬以降の暴落時、大部分の持ち株を売らなかった為株式評価額が激減(信用維持率50%)・6月1日、軒並みライブドアショック以上の大暴落水準から反転し、翌日村上氏逮捕で悪材料出尽くしと判断、全力買いに転じる(信用維持率40%)・しかし翌週も相場は大暴落。6月7日に騰落レシオ史に残る大暴落となった。維持率はギリギリの水準だったが、全く損切りする必要がないと判断(信用維持率33%)・翌6月8日、反発せず見事に超大暴落。追証発生。今回はとても上手に踊れました。イメージはやっぱり、ジュリアナ東京です。ピエロは一旦皆さんの掌から降りさせて頂きます。また近いうちに会いましょう。最後に「それでもやっぱり日本市場は先週の金曜日に底を打ったと判断しています。もし先週の金曜日じゃなかったら、今週の月曜日に底を打つと思います。皆さん全力で買い進んで下さい。チャンスは皆さんの目の前に転がっています」「バリュー投資家さんが調子に乗り始めたり、個人投資家が株式投資に正解を求めだす前には、必ず更新を再開します」「それではまた。MEANINGでした(^^)。」