はいはい。中国中国。また中国の話です。
一旦中国国内に流入した外国資本はなかなか国外に流出する事ができない事は既に述べた。現在中国国内に流入している国外資本の大半が、実は中国人のものである事も既に述べた。では、中国人はどのようにして中国資本を中国国外に脱出させているのか?マネーロンダリングすれすれ(というか、マネーロンダリングともいう)のこのトリックは、実は単純である。キーワードはやはり共産主義。国家が建てた戦略に、国民が従う図式である。国家権力を保持している高級官僚に賄賂を贈れば、香港やマカオでカジノでボロ負けという事にして、海外の金融機関に資本を逃避させる事も容易い。海外資本となった中国人の資本は、再び何処かの海外金融機関を通して中国国内の不動産市場に雪崩れ込む。かくして、中国国内に残るはずの人民元は外貨となり、世界一の外貨を保有するに至った。恐ろしい事に、人民元は中国国内でどんどん蓄積されている。海外資本が流入しているように見えて、実は国内資本が戻ってきているだけである。将来の人民元高を前提として、海外金融機関がワールドダラーと人民元とをせっせと交換しているだけである。新規に外国の資本が中国経済に流入しているわけではないのに、不動産価格が高止まりしている。恐ろしく辻褄が合わない。何かのきっかけでインフレが加速されると、中国経済は深刻なダメージを受けると予測される。相変わらず中国に資本注入を続けている、日本が受けるダメージも少なくないと言わざるを得ない。ただし、日本が受けるダメージはあくまで一時的であり、長期的には日本が蓄積してきた慢性的な経常黒字体質及び技術力は、中国経済の崩壊で消滅するほど脆くない。また、膨大な国民資産自体が資本主義の原則により増加し続ける。資本の流れは川と同じく高い所から低い所へ流れるが、資本主義社会では資本自体に膨張機能が働く為、世界経済が成長している間、資本主義社会が崩壊するまでの間は、資本は他の資本を引き寄せる力を持ち続ける。実態のある日本資本は、トリックのある中国資本とは種類が異なる。バリュー投資家は中国市場の脆さから目を背けているが、中国が先送りにしているインフレが到来した時、中国経済の実質上の価値が驚くほど少ない事に気が付く事だろう。経済成長の大半は不動産や商品バブルで成り立っており、機械や電気産業の成長鈍化が著しい。また、都市部と非都市部との貧富格差は広まるばかりである。一部の市場のバブルを抑えなければインフレは避けられない。人民元高は経済の著しい失速を招く可能性が高い。経済を失速させないようにするには、付加価値の高い技術力が必須である。中国が生き延びるためには、日本の技術協力、資本流入が必須である。ただし、欧米の資本流出は今もなお目に見えて続いているし、目に見えない所でも侵攻していると予測される。中国市場の魅力は色褪せ続けている。結論「日本株以外の投資先として中国市場を選択するバリュー投資家が最近多くなっているが、分散投資などではなく、リスクの大変大きい投機である」以上、第一回中国シリーズ終了。第二回があるかどうかは本人のやる気次第です。残念。偉そうに日本株を売って中国株を嬉々として買い続けている人がまた散見されれば、シリーズ再開するかもしれません。それではまた、MEANINGでした(^^)。