リーマンショック以降、独歩高の『円』
何故円が買われているのかと言うと、・日本国が信頼されている・円キャリートレードの逆流・日本経済の復活・唯一の長期デフレ経済などなど、色々理由は挙げられる。2008年9月のリーマンショック以降、ドルやユーロは勿論の事、成長著しいBRICsや東南アジア諸国、いや世界中のほぼ全ての通貨の中でも円高となっている。例えば、リーマンショック以降で株価上昇の著しい国の中に、トルコがある。トルコの株価騰落率は、42.3%。中国の29.3%やインドの19.8%を遥かに超えている。しかし、我々日本人から見てトルコが投資先として優れていたかというと、否である。円建て株価騰落率ではマイナスなのだ。株価の暴騰しているトルコに投資するより、日本の国内で円を遊ばせておいた方が、余程良いパフォーマンスとなったのだ。なんなら、日本国債でも買っておけば良い。といっても、中国やインドは円建て株価騰落率でプラスである。逆に投資としては成功と言える。ただし、円建て株価騰落率は中国で約10%、インドで約3%程度のものである。BRICsの他の国はマイナスである。ベトナムもメキシコも韓国もマイナスである。大きくプラスなのはスリランカとインドネシア程度で、次のマレーシアは15%程度になっている。勿論、リーマンショック以降の株価騰落率で外国株投資を云々言うつもりはない。逆に、100年に1度とまで言われた大不況を良くこの短期間で乗り越えた、とも言える。成長著しい発展途上国は、色々あるだろうが今後も先進国を上回るペースで成長するだろうし、それに伴い株価も長期的に成長するだろう。円高もいつまでも続くとは限らない。中国は特に、自国通貨の切り上げを迫られている。中国に限らず、成長著しい発展途上国の殆どが金融引き締めに転じている。ただ、多くの資本を保有している日本人の、対外的な力が強まってきているのは確かだ。自覚がなく、暢気なのは日本人。皆が気づけばとんでもない事になる。円高が進んでも、貿易黒字はなくならない。年々増殖していくこのお金、一体誰が持っているんでしょうかね?