ランダムウォーク理論否定1
何が株価を決めるのでしょうか?株式市場の参加者全員の意見です。彼らは、いや、僕たちは何を元に株価を決めているのでしょうか?もちろん個人個人によって判断が違います。それに、株価の構成要素はそれこそ無限にあります。財務諸表に現れるものや過去の売買履歴に現れるものは勿論、それ以外にも様々なものが株価の構成要素になっています。ファンダメンタル分析では主に財務諸表を分析します。テクニカル分析では主に過去の売買履歴を分析します。これら2つだけでも分析方法は無限に広がりますが、それ以外の要素もかなり幅の広いものが多くあります。国策、財政政策、金融政策、為替動向、会社計画、業績予想、業種、景気、環境、参入障壁、人材、ブランド価値、顧客満足度、社内システム、社長の人となり、IRの積極性、株主還元政策、などなど。挙げていけばきりがありません。それでは、これら無数の要素が元になり、参加者全員で決めた株価は適正な価格なのでしょうか?この問いに、ある人はYESと答え、ある人はNOと答えます。YESと答える人はテクニカル分析を重要視する投資家に多く、NOと答える人はファンダメンタル分析を重要視する投資家に多い傾向にあります。株価が適正な価格になっているという考えは、テクニカル投資家にとっては殆ど自己矛盾になりませんがファンダメンタル投資家にとっては自己矛盾になりますので、これは当然と言えるかもしれません。誤解を恐れず言うと、前述の問いはテクニカル分析を重要視する人の中でも順張り派にYESと答える人が多いと思われます。逆にファンダメンタル分析を重要視する人の中でも、バリュー投資家のごく一部にNOと答える人が多いと思われます。前者の理由は、株価が企業価値よりも高いという概念に囚われると、企業価値を無視するのでない限り順張りでの投資が難しい事にあります。順張りの投資手法には色々あるので全てがそうではありませんが、多くの順張り投資家が買うべきタイミングは[株価が勢いよく上昇している最中]ですので、ファンダメンタルを無視するような生粋の順張り投資家は企業価値が株価に比べて低いかどうかを考える必要が比較的少ないからだと思われます。バリュー投資家のごく一部にNOと答える人が多い理由は『むぎゅ。』読者の皆様であれば良くご理解頂けている内容だと思われますので割愛します。