お父さん、お母さん、お元気ですか
お父さん、お母さん、お元気ですか。激動の2020年も終わり、2021年になろうとしています。今年は新型コロナで色々なことが激変しました。これからは格差が拡大し、今までのように平和な時代ではなくなってくることでしょう。金融バブルが大きくなり、そしてそれが崩壊すると、世界は大混乱に陥ります。物価が上がり給料が下がるというスタグフレーションも現実を帯びてきています。世界中で溢れかえったマネーが行き場を失っています。金融資本が過剰なリスクを取り、返済能力を超えて負債が増加したツケは、何れ払うことになります。日本ではそれが不良債権処理として、長い間経済成長を阻害してきました。それが世界中で起きるのではないか、とそう心配しています。今年同様に、来年も世界は激変するでしょう。老若男女問わず、変化に適応できた人間だけがこの歴史上類を見ない全世界異次元金融緩和の恩恵を受けるのでしょう。そして、それ以外の多くの人は、じわりじわりと今より生活レベルが下がることになるでしょう。貧困層はますます貧しくなり、歪んだ経済を問題視する声が高まるでしょう。その初年度が2021年になるのか2022年になるのか分かりませんが、いずれその日はやってきます。一度失った潜在生産能力を自力で取り戻す活力は日本にはないので、長期的に活力を近隣諸国から受け入れることになるでしょう。一度供給能力が需要を大きく下回ると、それ以降は悪性インフレに悩まされ続けるでしょう。それを生きていくのが、僕の子の世代です。団塊世代のツケを僕らが払い、僕らのツケを僕らの子供が払う。平成生まれは物心ついた時から不況ですが、令和生まれはどのような社会を生きていくのでしょうか。その世代が支払うべき代償の恩恵を、今まさに僕たち投資家が受けている。そんな必要があるのでしょうか。ここ10年で日経平均は2.5倍以上に、S&P500は3倍以上になりました。そして、コロナ不況下でさえ株価はコロナ前の水準よりも随分高い。投資家はもう十分利益を得ているのです。今年に入る前ですら、今まで続いた過剰な金融緩和のツケを近年支払うことになるだろうと言われていました。去年まで、異常ともいえる金融緩和が日米欧で続いていたのです。多くの人は、何か違うと気が付き始めています。そして、多くの人がハッキリと気付いたころには致命的な格差社会ができているでしょう。多くの人が不幸になる社会が迫ってきています。貧困に喘ぐ家庭は何を感じているのでしょうか。いま、僕たち投資家はこの世の春を謳歌しています。放っておいても毎日資産が増えている。適当に分散投資をしておけば、何に投資をしても資産が増える。世界中でお金が余っているのを強く感じます。そして、多くの人が不幸になっているのも感じます。その不幸な人の数は、来年もっと増えるでしょう。僕も気が付けば、既に人生の折り返し地点を過ぎています。残りの人生、豊かな社会の中で日本人みんなで幸せに過ごすことができればいいのですが、余り良い展望が描けません。どうしても悪性インフレ下で格差が拡大する社会が長期的に続くことになると思ってしまいます。僕の思い過ごしであることを祈るばかりです。