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カテゴリ:健康
コレステロールや中性脂肪、γーGTPの値ばっかり気にしている僕にとって 完全にノーマーク・想定外で 正直、顔が青ざめた。 それから憂鬱な3週間を過ごした。 その間、大腸がんのこと、内視鏡検査のことをいろいろネットで調べたりしていた。 データでは検査の6割以上はがんではないらしいが、逆に考えれば4割も大腸がんなんや。 ポリープは悪性でなくても発見次第切除するらしい。その為の署名もさせられた。 いろんなことを考えた3週間だった。もちろん死についても考えた。 いよいよ明日が検査。前日の朝から食事はお粥か具なしスープのみ。 飲み物は果汁なしのジュース、コーヒー・紅茶はよい。 アルコールはもちろんダメ。これが辛い。 実はこっそりコーラにウイスキーを入れて飲んだ。でも軽く1杯だけで顔が真っ赤になったので、怖くなってそれ以上は飲まなかった。 よめさんが野菜を裏ごしして作ってくれたスープは、最初はなかなか美味しくて 朝・昼と調子よく取っていたが、さすがに3食目はキツかった。同じもの3食はどんなに好きなものでも飽きる。 そういうときに助かったのは、砂糖たっぷり入れたコーヒー・紅茶だった。 普段ブラックコーヒーしか飲まないのだが、この時は甘いものを飲むと心が穏やかになった。 テレビを見ると、どのチャンネルも食べ物ばっかり。ぶ厚いステーキなんかアップで写ってるし(泣) こんなに自分の胃が雄叫びすることは、今まで生きてきた中で全く記憶にないことだった。 夕食後、病院からもらった下剤を800ccの水に混ぜて飲む。下剤は甘い味がついていた。 指定の時間は午後7時だったが、仕事が終わって食事してからだから9時になってしまった。 下剤が効き始めたのが午前1時ごろ。そこから眠れなくなってしまった。 便は次第に液状化していき、トイレに行く回数が増えていった。 便の色が次第に透明化していった。「これが目的やったんやな」とボンヤリとした頭で思った。 多少眠ったのだろうが、かなり眠りが浅かった感じがする。 先週は休みなしで2週間働いてきたから、疲れはかなりたまっていると思う。 空がうっすら白け始める頃、今日の夕方の僕はどんな気分で、どんな顔しているのだろうかと考えた。 ポリープなら切ればよいが、腹切って手術ってことになると正月明けしかしょうがないな。 もし人工肛門なんかつけることになったらどうしよう。 当日は絶食。水分は取ってよい。HDに撮りためてあった映画を2本見る。 午前10時。検査の3時間前に下剤を900ccの水に混ぜて飲む。 昼ごろの便は、完全に透明な水になっていた。5分おきぐらいに便意が催す。 おしりからシャーと水が出る。なんかきれいな体になったような気分。 いよいよ時間がきて、病院に向かった。 名前を呼ばれて入ると、後ろに切れ目のある青いパンツとガウンに着替えさせられた。 椅子が3つ並んであって、そこで麻酔の点滴を受けながら順番を待つ。 僕は2番目だ。 隣の60代の女性が先に検査に呼ばれた。 診察時間が終わったので院内は静か。声がよく聞こえる。 麻酔がきいてきて少し眠たいのだが、ダンボの耳になって聞いていた。 15分後ぐらいだろうか、先生の説明が聞こえる。 細胞を採取したのでその結果は2週間後だと言っていた。 ということは、がんの疑いがあるってことだろうか。 いよいよ僕の番だ。 そこはレントゲン室だった。 台に立つと機械が動き、寝た姿勢になった。横になって足を胎児のように曲げさせられた。 もうこうなったらさっさと終わらせてほしい。 肛門にゼリーを塗られて、指を入れられた。 その後すぐに内視鏡が入った。指と違い硬い感じが伝わった。 最初は痛くて声を上げてしまったが、入っていくと痛みは感じなくなった。 先生に説明してもらいながらモニターを見る。これが自分の腸の中なのか。 ミクロの決死圏みたいやな。 血管が通っているのがわかる。以外に中はつるんつるんしている感じだった。 カーブのところで先生の腕がぐっと動くのがわかった。 内視鏡はどんどん奥に進んで行き、部分部分を写真撮影しながら小腸まで行った。 先生は「中はきれいですよ」と言ってくれた。「中は」って? 最後にガスを入れて腸を膨らませて観察する。これが少し苦しかった。 時間は10分ぐらいだったろうか。 腸は異常なし。出血の原因は肛門内部の腫れ。いわゆる痔だ。 休憩していると、先生がやってきて「がんの心配はありませんよ。よかったですね!」 痔はええんかな?と思ったが、ガスでおなかが痛かったので「ありがとうございました」としか言えなかった。 おならをすれば楽になるらしいのだが、水も一緒にでそうなので我慢した。 よめさんに迎えに来てもらい、帰宅する頃にはおなかの痛みも消えていた。 今はとりあえず、自覚症状はないのだが痔の治療薬(注入式)を入れて 内股で歩いてるのを家族に笑われていたりしている。 やれやれだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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