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2009.03.21
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カテゴリ:BREITLING
 「ブライトリングはマニファクチュール化には興味ないのだろうか?」と多くの方がやきもきしながら待っていたのではないかと思いますが、ついにというか、やっとというか、自社開発ムーブメントが発表されました。
 シンプルに「B01」と名付けられたクロノグラフムーブメントです。

2009 Breitling Caliber B01

 約4年もの歳月をかけて極秘裏に開発されたこの自動巻きクロノグラフムーブメントは、コラムホイール作動で垂直クラッチを採用した、近年のトレンドに沿った高級機と言えます。垂直クラッチは省スペースで、歯車の連結時に起こる「針飛び」が発生せずに正確な計測開始ができることからパテックフィリップ、ロレックス、フレデリックピゲ製のブランパンやオメガなど、近年発表されている多くの高級クロノグラフムーブメントが採用するクラッチ方式です。また古くから高級機の定番作動機構とされているコラムホールは、部品の製造や動作の調整がシビアである代わりに滑らかで確実な動作をするとされています。

 更に70時間と長時間のパワーリザーブを確保しており、これはゼンマイのトルク特性にも好影響のはずです。またリセット時にクロノグラフ針を帰零させる機構にはブライトリングが特許を取得した独自のオートセンタリングシステムが採用されています。


 さて、ブライトリングは100%クロノメーターを宣言する数少ないブランドで、この新型ムーブメントも例外なくクロノメーターを100%取得するはずです。また、このムーブメントの製造に合わせるかのごとくファクトリーの増設が完了しました。で、どうやらこのムーブメントの生産数は年産最大5万個程度を想定しており、価格も自社開発自動巻きクロノグラフとしてはかなり押さえられたものになりそうです。
 惜しむらくは調速装置で、エタクロン式の緩急針に微調整機構が付いているもののようで、フリースプラングは実現されませんでした。これだけは他の自社製クロノムーブに対してビハインドとなるでしょう。ブライトリングが満を持して発表したムーブメントですから、必要にして十分な精度(クロノメーター取得程度)を得ることは当然可能でしょう。しかしそれより先の精度に対する「拘り」には欠けると言わざるを得ません。が、フリースプラング化によって価格が跳ね上がってしまうのはブライトリングの時計創りの精神に反したのかもしれません。これはこれで一つの正解なのでしょう。


 現在ラインナップされているクロノグラフは、ETA/Valjoux7750かETA2892をベースにした、前者は縦並び、後者は横並びにインダイアルを配した、大きく分けて2種類がありますが、これらの何れかがB01に置き換わるのか、はたまた全くの新シリーズとして追加されるのか、まだB01のインダイアルの構成すら分らない状況ですが、あれこれ想像しながらバーゼルフェアでの発表を待ちましょう。


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Last updated  2009.03.21 13:38:36
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