とんかのクローゼット

わが教会の長老さんのご家族から
長老さんの近況を伺った。

お元気ながら、時間や記憶が飛ぶという。
それでも、長老さんは欠かさずお祈りなさる。
その祈りにいつもY牧師のことが取り上げられるそうだ。

Y牧師は天に召されて数年になる。
そのことを何度もご家族にも言い聞かされているのに
長老さんは祈り続けている。

Y牧師は地方の小さな教会で家族総力あげて伝道に励み
アスファルトに閉ざされた地面から生え出ようとする草のように
我慢強い生涯を送られた。
先生ご自身がこのように自分が祈られていることをご存じであったかどうかわからない。
「友はいかなる時も愛する」と聖書は言う。

自分の力が弱くなり
意志でコントロールできる領域を過ぎたとき
わたしは何をするだろう。

愚痴や恨み事ではなく

神様への信頼と
天国へ行ける希望の喜びと
教会や人々への愛の祈りが残されるように

いかなるときも愛してくださるお方の姿だけが残るように。