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二ヶ月ぐらい前に、実家に帰った時のこと。
医者から父は「糖尿病」と、言われたそうだ。 検査結果は、かなり悪かったらしい。 定年退職後は家でゴロゴロ、大酒飲みで肥満体型。 そりゃあ、病気にもなるさと思いながら 僕はその話を、ぼんやり聞いていた。 そんな話の中で父が 「俺はもう、いつ死んでもいいんだ」と、言った。 他人がそんなこと言ったのなら、ヘラッと笑って聞き流すんだけど、 実の親がそんなことを言ったので、僕は言ってやった。 「まあ、死にたいんだったら勝手に死ねばいいけどさ、 糖尿病って、そう簡単には死なないから。 小さい脳梗塞と心筋梗塞を繰り返して、足が腐って歩けなくなって、 眼が見えなくなって寝たきりの状態が続くんだよ。 そん時になって、情けないとか泣いてもおれは知らないから。 どういう死に方をするかって事は、どんな生き方をしてきたかって事だから、 おれは親父がどんな死に方をするのかだけ、ちゃんと見とくよ」 ちょっと言い過ぎたかなと思ったけど、本当に思ってることだったので そのまま言ってやった。 父は黙っていた。 昨日、父から電話があった。 「最近、家の近所を歩いている。だいぶ長い距離を歩けるようになったので、 今度一緒に山に登ろう」 と、いう内容の電話だった。 父は僕に、「死に方」よりも「生き方」を見せたいようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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